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ブリットのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

ブリット(1968年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

腕利きの刑事ブリットが政治家に依頼された証人の保護に失敗、同僚と証人が撃たれてしまうが、不審な点に気づいた刑事は証人死亡を隠匿して、犯人をおびき出そうと試みる。

サンフランシスコの坂道を飛び跳ねて走り抜けるマスタング68、ラロ・シフリンのJazzy なスコアに乗って、映画史上最高と云われる11分のカーチェイスが観られます。

製作はスティーブ・マックイーンの制作会社で、資金はセブンアーツとワーナーが拠出。

英国で『大列車強盗団』を監督し、カーチェイス場面を評価され抜擢されたのがピーターイェーツ監督。プロのドライバーでもあるマックイーン自身が演じたカーチェイスが絶賛され、以後多くのパロディが生まれました。
また、空港、ホテルなど、Ariflexの小型軽量カメラを使い、サンフランシスコの町でロケ撮影されたリアルさも成功の秘訣。
撮影方法や音楽の使い方は、ルイマルの『死刑台のエレベーター』(58年)に似ている気がしますが、どうでしょう?

フランク・ブリットは、野心あふれるチャーマーズ上院議員から、上院小委員会で、証言する予定のマフィアの情報提供者ジョニー・ロス(パット・レネラ)を40時間保護する業務を依頼される。
夜の監視を部下に頼み、帰宅していた刑事の電話が鳴る。二人の殺し屋がチャーマーズを名乗り、ホテルの部屋に来て、ロスに致命傷を負わせた。ブリットは医師に協力を依頼、ロスの死亡を上司にも隠し、捜査を続けると、殺害は再びやってくる。一度は取り逃がすも、尾行している二人組に気づいたブリットは逆に二人組の車を追跡し、シスコの町中で激しいチェイスとなる。
地道な捜査の末、殺害されたロスは偽物で、本物は国外逃亡を謀っていたことに気づいたブリットは、空港の出国ゲートで待ち伏せするが――

1968年の本作の後、72年に『フレンチ・コネクション』がオールロケの革新的手法でオスカーを受賞し、同年『ダーティ・ハリー』も続き、本格的な犯罪捜査モノの先駆けともなった傑作とも云えます。
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