McGuffinマクガフィン

インディアン・ランナーのMcGuffinマクガフィンのネタバレレビュー・内容・結末

インディアン・ランナー(1991年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

「エデンの東」や「リバー・ランズ・スルー・イット」からノスタルジーやエモさを削ぎ落としたような鋭い作風で、BGMは所々カントリーで田舎くささも感じさせる。

お兄ちゃんの世界ではカントリーが流れてるけど、弟の世界では全ての音がノイズののような…

正反対の兄弟の物語。

悪役でお馴染みのデヴィッド・モースが正義の兄。色気のあるヴィゴ・モーテンセンが手のつけられないベトナム&ムショ帰りの弟。

父親役が髭のないブロンソンてのがいい。

パトリシア・アークエットもブレイク前だがベリーショートがよく似合う。

弟フランク行きつけの店にはバーテンとしてデニス・ホッパーが登場。
ちょい役でベニチオ・デル・トロも。

通りすがりのモブキャラが何気に強烈だったりゆるかったりする。
髭の生えたおばさん。
セルライトで太ももがボコボコのおばさん。
デリカシーがなく自己主張の強いおばさん。
あれ?ぜんぶおばさんだ。
繊細な男たちが描かれる中、おばさんは厚かましさや逞しさの象徴なのかも。

お兄ちゃんが弟を殴らない。
自ら血を流して想いを伝える。
地獄を体験すると幸せになることって怖いよね。戦争によるPTSDであることは敢えて触れられていない。
ヌードや本物の出産シーンも衝撃。

人生はいいものだ。弟フランクよ。

これがショーン・ペン初監督作品とは。
Bruce SpringsteenのHighway Patrolmanにインスパイアされ制作された。

劇中、テレビの画面にモノクロの西部劇とファミリー映画っぽいのが登場したけれど特定するのは諦めた。
イメージ的には「駅馬車」と「若草物語」みたいな感じだった。