インディアン・ランナーの作品情報・感想・評価

「インディアン・ランナー」に投稿された感想・評価

こえ

こえの感想・評価

5.0
ショーン・ペン監督。本当に素晴らしい。個人的人生の映画10本に入る。やっぱりぼくは映画人としてのショーン・ペンがこの上なく好きだ。人間の描き方に、不安になるまでのリアリティがある。観終わって、ああ……となる。どうしようもなく繊細でつらいけれど、その体を力づくで動かして、傷つくかもしれないけど、それでも成そうとする、強い意志の力を感じる。
Hiroya

Hiroyaの感想・評価

3.9
舞台は1968年アメリカ
まさにベトナム戦争によって
傷つき病んだアメリカ。

幸せな家庭を築いた警察官の兄と
ベトナムから帰還し、その後さまざまな問題を起こし続ける弟。

その弟をなんとか公正させようとする。

兄や恋人によって
人生が好転しかけると
自らその幸せをぶち壊してしまう。
それも何度も。

どこまでも不器用で
どうしようもなく孤独な弟。

戦争により心に傷を負い苦しむ登場人物を扱ったもので、タクシードライバーやディア・ハンターなんかも彷彿とさせます。

ショーンペン初監督作品で
こんな人が I am Samでサムを演じるなんて...
ショーンペンといえば I am Samの人って思ってたのでちょっとまじか...って感じです。

劇中流れる音楽はセンス良過ぎます。

個人的に好きなんで弱いんですけど、Janis Joplin・CCR・The Band
しかもその時にピッタリすぎる選曲に思わず泣かされてしまった。

あと男性器、女性器出てきてびっくりでした。わら


良い映画なのでもうちょっと知られててもいいのに、って思います。
恐ろしく名優が揃った傑作。
これを初めて観た時は頭をチェーンソーでぶった切られた気分だった_:(´ཀ`」 ∠):
デヴィッド・モース氏、ヴィコ・モーテンセン氏二人の兄弟愛を主軸としたヒューマンドラマ。真反対の生き方をする兄弟と、家族や周囲の人々とのアンバランスな生活は、観ている側に安定や安心感を終始持たせてはくれない。これほど生と死を直球で表現している作品も珍しい。アウトローな弟が警察に車を取られたため、自転車に空気を入れるシーンは何だか愛くるしい。露出時間は短いが重要な役どころにデニス・ホッパー氏が怪演。インパクトあり過ぎて夢に出そう。
この作品は全部いいのだけれど、ラストシーンがたまらない。このラストのための本編なのだと感じずにはいられない。
seiji

seijiの感想・評価

3.7
警官でまともな兄とベトナム帰還兵の病んだ弟との物語。どうしようもないクズっぷりの弟、それに振り回される兄、どっちも可哀想で泣けてくる。
ちょい役のデニス・ホッパーの目が怖い。
mtmg

mtmgの感想・評価

4.2
ショーン・ペンは俳優としてだけでなく映画監督としても凄い。
アメリカにとってのベトナム戦争後の影響がテーマの1つになってて、世代的にも知識的にもその辺りの理解が何となくでしか出来ないのが残念。終盤にかけて、弟が闇から引き上げられるかと思いきや戻っていってしまうのと、ラストのそれをどうにもしないことに決めた兄が良かった。
ヴィゴ・モーテンセンがアウトローを演じると頭の良さが見え隠れするので深みがある
yoshi

yoshiの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ハリウッドの問題児ショーン・ペンの初監督作品。私は彼の演技の大ファンです。もちろん監督作品も全て見ています。
同じ時代に生き、共に成長して歳を重ねた感すらします。
あまりに好きなので、彼のことを語るのが正直怖いのです。

私はペンの監督作品に、全て共感を覚えるのです。それは彼自身の魂が作品に投影されていると感じているから。

荒んだ社会に苛立ち、誰にも理解されず、自分の居場所を見つけられず、ここではないどこかへ常に居場所を見つけようとする、さまよえる魂の叫びに思えるのです。
これは彼が演じてきた役柄にもほとんど同じことが言えます。

さて、勇気を出して、この作品を語りたいと思います。少々長いのですがお付き合い下さい。

舞台はネブラスカ州の田舎町。警官である兄ジョーのもとにある日、ベトナム戦争の帰還兵である弟フランクが数年ぶりに帰って来る。
兄は真面目で温厚な性格の家庭人。
弟は粗野な性格で乱暴な放蕩者。
(戦争で弟に何があったかは語られない。元々の性格が戦争でさらに…という印象の言動。)

久しぶりに帰ってきたが、居心地の悪さに何処かへと去っていく弟。
(帰省した時の親の説教、地元に残った人との比較。周囲の冷たい目。皆さんも経験があるはず。父親が何とチャールズブロンソン。髭を剃ることで世間体を整えた農家の堅物オヤジを表現。ブロンソンの視線…誰でも居心地悪い。)

しばらくして兄は弟が刑務所に入っているのを知り、その出所の日、彼を迎えにいくがフランクを出迎えたのはドロシーという女の子。
(弟の彼女役はパトリシアアークエット。
エキセントリックで下品で、可愛いらしいが少し頭のネジが外れた子を好演。
しかしどう見ても弟が、身体目当てでまたは自分よりもイカれていると優越感に浸る為、ペット感覚で連れている。
それはまるで、「俺にだって、付き合ってくれる女はいるぜ!」と弟が兄や世間に見栄を張っているように見え、「こんな女、いつ捨てたって構うもんか!」という残酷さも口元の歪んだ笑みから見て取れる。)

中盤、家族を不幸が次々と襲う。母が死に、そのショックから父も自殺。
(弟にとっては束縛からの開放感と、何も親孝行が出来なかった心残りと、自分が未だ何者にもなっていない苛立ちと、何者にすらならない絶望感があったはず。ヴィゴ・モーテンセンは酒で朦朧となり、全裸の自分に銃を向け、自己の存在確認と自己否定を表現する。)

兄は弟をなんとか正業に就かせようとするが、彼の苛立ちと犯罪行為を止められなかった。
(放浪によって獲得した放蕩者というエゴがすでに確立され、親や兄が望む姿に今さらなれないという意地)

しかし、ドロシーが弟の子を身ごもり、兄は2人のためにささやかではあるが結婚式をあげさせる。
(父親になることで、生活を変えて見るのも悪くない。生命の神秘と家庭という暖かい未来が、少しだけ弟の気持ちを変える。この映画で唯一、弟が主体となる幸せな結婚式のシーン。)

結婚を境に弟は落ち着くかと思ったが、ドロシーがまさに出産するという晩にフランクはバーで泥酔。
(自分みたいな人間が父親になっていいのか?俺も自分の父親のようなつまらない人生を送るのか?
父親になる責任への恐怖、自由が奪われるのではないかという例えようのない不安を酒を呑んで振り払いたいのだ。
父親になる直前、男性なら必ず感じたことがあるはず…。
女性ならば、特に母親ならば「自分が好きで子供作ったくせに責任取りなさいよ」と怒り心頭のシーンのはず。

そしてバーに迎えに行った兄と弟は大喧嘩。
「怖くないのかい?」弟は兄に聞く。
「このまま、この街で、ただ老いて行く人生を歩むことは怖くないのかい?」と聞いているのだ。
兄は微笑む。「俺には家族がいる。」と。
「お前のような自由な人生にも憧れるが、俺は愛する家族のために生きていくと決めたんだ。」と言うセリフにない兄の心情が微笑から漏れてくる。
兄弟がこの映画で初めて本気で語る。
拙い会話だが、兄弟だからこそわずかな言葉で心が伝わる。

この後、あるきっかけで弟はバーテンダー(デニス・ホッパー!)を殺してしまう。
(この瞬間はぜひ、映画を見て欲しいです。「世界でたった一人、俺を理解する兄を侮辱するな!」なのか、「兄弟の絆を断ち切るな!」なのか、この時の弟の気持ちを言葉にするのは難しい。しかしバーテンは弟の核の部分と存在理由を汚してしまったのだ。)

逃げる弟を追う警官の兄。
あともう少しで捕まえられる瞬間、
兄は弟を逮捕せず逃がす。(映画の冒頭で正当防衛だが、人を射殺した後悔を、実の弟で繰り返さない為か?弟の自由な魂を解放したい家族愛か?どちらにも見える、デビッド・モースの暖かい眼差し。)

弟は闇の中に姿を消していった。
二度と戻っては来ないだろう。

私にはこの作品の弟がショーン・ペンの心情を代弁しているとしか思えない。
この物語が彼の生い立ちに近いものなのか、あまりにプライベートな部分なので、ネットで調べてもわからない。
しかし私はこの物語が彼の自叙伝だと信じて止まない。

呪縛からの脱出のイメージがタイトルそのままに登場する。
走る白塗りメイクのインディアン。
何かから逃げているのか?
何かを追っているのか?
疾走感と焦燥感に溢れており、弟の心情を可視化したイメージだ。

ショーン・ペンを包む呪縛とは?
ハリウッドスターとして世間の好奇の目にさらされていること?
自分の演技の本当の意図を、誰も理解してくれないと言う事?
知る術はないが、彼のプライベートで報じられる数々の事件が、彼の「誰もわかっちゃいない!俺の事なんかほっといてくれ!」という心の叫びに思える。

主人公の兄のように真面目に生きている人には、理解してあげたくとも共有できない世界。

主人公の兄のほうに共感する人にとっては、弟の物語は客観的に見えてしまい、田舎の不良の現実逃避に思えるだろう。

最後に子供の姿となって兄と見つめ合う弟。
子供の頃の無垢な頃が一番番良かった。
もう戻れない、この街に戻らないことを暗示していて、あまりに唐突なのだが、心に染みる一瞬だ。

どこか遠くへ。
ここではないどこかへ。
楽園などあるはずもない。
安住の地などあるはずもない。
しかし人生は続く。
死ぬまで走り続けなくてはならない。

そんな言葉が見終わった後に頭に浮かび、不覚にも涙してしまった映画だ。

嫌いな人にはとっても嫌いな映画だろう。
おススメはしません。
しかし私には共感しかなかった。
兄と弟のどちらの気持ちもわかり、心が痛んだ。
ショーン・ペンはきっと魂を削って作ったに違いない。
始終ハラハラ。
個人的に豆のシーンが一番怖い。

音楽も良い。
ぜひ一度見てほしい。
maya

mayaの感想・評価

3.5
口元を汚した赤ちゃんのアップの挿入みたいな細部が野蛮。ヴィゴモーテンセンはフルチンが似合う。
おけい

おけいの感想・評価

4.3
ショーンペン初監督作品と聞いて、ワクワクしながらおそらく、10年以上も前に鑑賞した記憶あり。
真面目な兄演じるデビッドモースも良かったが弟役のビィゴモーテンセンの荒削りで奔放な役どころもハマり役だった。

大好きな映画です
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