つるみん

インディアン・ランナーのつるみんのレビュー・感想・評価

インディアン・ランナー(1991年製作の映画)
3.9
ショーン・ペン初監督作品。
デヴィッド・モース、ヴィゴ・モーテンセンW主演の兄弟愛を描いたヒューマンドラマ。
個人的には『イントゥ・ザ・ワイルド』の方が好みであったが、本作が初監督作と考えると途轍もない才能を感じる。もっと監督として映画を作って欲しい。

オープニングの辺り一面雪景色で起こるある事件の掴みはバッチリ。ロケーションも格好良いし何よりジョー(デヴィッド・モース)のあの表情が堪らない。時代は1968年。ベト戦帰りの弟フランク(ヴィゴ・モーテンセン)はPTSDからか(元からの部分もあったと思うが)自分自身を制御出来なくなってしまった。そんな弟を心配して面倒をみる兄貴の切ない想いが描かれ、重厚なヒューマンドラマとして成功している。
お互いの愛は本物なのに擦れ違うもどかしさ。兄ジョーも弟フランクも本当に可哀想だった。兄弟間ですら解決出来ないことをどうやって解決すれば良いのか。

ラストの幼少期の頃の弟がガンマンとなって車から降りてくるあのシーン。それを見つめる兄ジョー。声にならない魂の叫びがそこにはあって、それをああいう形で表現したショーン・ペンの才能は計り知れない。型にハマらないショーン・ペンの映画スタイルが大好きだ。
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