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ドクトル・ジバゴのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

ドクトル・ジバゴ(1965年製作の映画)
3.9
ボリス・パステルナークの同名小説を、デイヴィッド・リーン監督が映画化した一大叙事詩。
ロシア革命が吹き荒れる激動の時代に愛を燃焼させた男女の姿を描く。
撮影はフレディ・ヤング。
音楽はモーリス・ジャール。
原題:Doctor Zhivago (1965,197分)

主人公のユーリー・ジバゴ(オマー・シャリフ)は、幼い時に両親を失い、モスクワの科学者に引き取られる。
医者、詩人となったジバゴは、育て親の娘トーニャ(ジェラルディン・チャップリン)と結ばれる。
もう一人の主人公、仕立屋の娘ラーラ(ジュリー・クリスティー)は、帝政打倒の革命に情熱をもやす学生パーシャ(トム・コートネイ)に想いを寄せていたが、母の愛人である弁護士コマロフスキー(ロッド・スタイガー)と関係を持ち、彼の誘惑から逃れようと発砲事件をおこす。
その後、第1次大戦が始まり、医師として従軍したジバゴは、パーシャと結婚して看護婦として働らくラーラと再会、二人は強い絆で結ばれる。
やがて、内戦が激化。高まる革命の波が二人をのみ込んでいく…。

「男には2種類あって、あの若者は、理想が高く純粋で尊敬を受けながら軽蔑される人種だ。災いを撒き散らし、女を不幸にする。…もう1種類の男は、理想も純粋さもないが、生きている。
…女も2種類あって、お前は後者の方だ。」

「私じぁないわ。
君を描いた。
違う。あなたよ」

「ソーニャ バラライカを?
プロも顔負けの名手です。
誰に習った?
誰にも。
才能(gift)だな」

荒涼としたロシアの国土を再現した撮影が見事。
民族楽器バラライカを中心に演奏される哀愁に満ちた名曲“ラーラのテーマ”が物語を引き立てる。
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