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醜聞(スキャンダル)のLEONkeiのレビュー・感想・評価

醜聞(スキャンダル)(1950年製作の映画)
3.0
分かりやすく端的に言えば事実を歪曲し嘘で塗り固めた下劣な週刊誌の餌食となる、若き画家と人気歌手が出版社とスキャンダルの是非を裁判によって争うと言う物語

しかし本題の主役は男女の代理人となる落魄れた弁護士に自分は主眼を置く、なぜ故に人は自堕落となるのかなったのか…

人は無慈悲にも何度も何度も裏切られ騙され続けて行くうちに、気がつけば無意識に人を騙して生きるようになっていた弁護士

役柄のタイプは全く違うが志村喬の『生きる』の課長役の原形は既にこの時出来上がり、絶望からくる悲愴感の限界値は生と死を狭間に悶絶する姿は被る

一旦東宝から離れ松竹〝黒澤明〟の確固たる明確なテーマ設定や躍動感溢れる動的描写やリアリズムは健在、〈蛍の光〉のシーンを観て『素晴らしき日曜日』を想起しロマンティック・ヒューマニズムの塊を感じる..★,
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