三上新吾

ヒューゴの不思議な発明の三上新吾のネタバレレビュー・内容・結末

ヒューゴの不思議な発明(2011年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

物語の超目標が反目する人物の過去、人格に影響を与えたであろう出来事と繋がってるの、二重に気になって引き込ませる力がある。

機械の中には無駄な部品など1つもない、この街が大きな機械だとしたら僕にも何か役割があるはずだ。
このテーマを象徴するように主人公は時計台の中に住んでいる。
壊れたものを修理する、というのも象徴的。
映画らしい映画だった。

話せば長くなるけど〜待って、絵を見せる、映画的。

コーヒーにも何にでも、頃合いがある。宿敵のサブストーリー。


ヒューゴは駅の時計台の中に暮らしている。時には盗みをし、警備員に追いかけられたりしながら身を立てていたが、ある日おもちゃ屋からおもちゃを盗もうとした時遂に捕まり、大事にしていた手帳を奪われる。その中身を見たおもちゃ屋の店主は絶句し、手帳を返さず家に持ち帰ってしまう。
その中身とは、死んだ父親の忘れ形見である機械人形の修理過程を記したもので、少年はハート形の鍵を探しているのだった。
手帳を返して欲しいヒューゴは店主の家へ行き、店主が自分の名付け親だという少女に手帳が燃やされないように見張っているよう頼む。
しかし翌日、店主がヒューゴに渡したのは炭になった紙束。落ち込むヒューゴに声をかけたのはあの少女だった。手帳が燃やされていないこと、返してもらうよう男らしく頼むべきだということを伝える。
ヒューゴが店主の元へ行くと、おもちゃの修理をして見せろと言われる。素晴らしい手際で修理をする。これまでの盗みの分働くことを交換条件に手帳を返すという店主。おもちゃ店に出入りし、おもちゃの修理や手品を教え込まれ少しずつ信頼関係を築いていく店主とヒューゴ。
少女とも、映画館に忍び込み映画を見るなどして親交を深めていく。ある日、少女の首にハート型の鍵が掛かっているのを発見、それを使い鍵穴をひねると、機械人形はある一枚の絵を描いて見せた。そして終いに記された名前は、店主の名前だった。
不思議に思ったヒューゴは、少女と2人で店主の家を探索、隠された箱の中から沢山の絵を発見する。
その光景を見た店主は過去を思い出し、体調を崩してしまう。
図書館で映画について調べる2人。
その書籍には、映画の黎明期を代表する人物として、なんと店主の名前が記されていた。驚く2人の背後に、その書籍の著者が現れ、店主が存命している事実を伝えると会いたいという。
店主の家でフィルムを再生すると、店主は映画興隆の栄光と衰退を語る。
機械人形は元々マジシャンだった店主の作ったものだった。それを見せようと走るヒューゴに、宿敵の警備員が迫る。
線路に落ちた人形を拾おうとするヒューゴ、あわや轢死かと思われたところ、警備員がその命を救う。
後日、初期映画を鑑賞するイベントにはヒューゴの勇気と意思の力を讃える店主の姿が。
ヒューゴは認めてくれる大切な人々を手に入れ、店主は忘れようとして苦しめられてきた過去が、忘れられない栄光に変わった余生を生きる。
三上新吾

三上新吾