ともぞう

お早ようのともぞうのレビュー・感想・評価

お早よう(1959年製作の映画)
3.2
下町の新興住宅地で起こる出来事。自分の家にテレビがないから、テレビのある家に見に行く。奥さん達の噂話。家族の喧嘩。子供達の間では、おでこを押すとオナラを出す遊びが流行り、締まりの悪い子が中身まで出してしまう。また、昭和32年らしく押売り、洗濯機やテレビのない家なども世相を表す。自分が子供の時もモノクロテレビがあり、幼稚園の時にカラーテレビが来た時は本当に嬉しかったことを思い出した。

〈あらすじ〉
東京の郊外。小住宅の並んでいる一角。組長の原口家は、原口辰造(田中春男)、きく江(杉村春子)の夫婦に中学1年の子・幸造(白田肇)、それにお婆ちゃんのみつ江(三好栄子)の4人暮し。原口家の左隣がガス会社に勤務の大久保善之助(竹田法一)の家。妻のしげ(高橋とよ)と中学1年の善一(藤木満寿夫)の3人。大久保家の向い林啓太郎(笠智衆)の家は妻の民子(三宅邦子)と、これも中学1年の実(設楽幸嗣)、次男の勇(島津雅彦)、それに民子の妹の有田節子(久我美子)の5人暮し。林家の左隣・老サラリーマンの富沢汎(東野英治郎)は妻とよ子(長岡輝子)と2人暮し。右隣は界隈で唯一軒テレビをもっている丸山家で、明(大泉滉)と妻みどり(泉京子)の若い夫婦は万事派手好みで近所の顰蹙を買っている。そして、この小住宅地から少し離れた所に、子供たちが英語を習いに行っている福井平一郎(佐田啓二)が、その姉で自動車のセールスをしている加代子(沢村貞子)と住んでいる。林家の民子と加代子は女学校時代の同窓で、自然、平一郎と節子も好意を感じ合っている。このごろ、ここの子どもたちの間では、オデコを指で押すとオナラをするという妙な遊びがはやっているが、大人たちの間も、向う3軒両隣、ざっとこんな調子で、日頃ちいさな紛争はあるが和かにやっている。ところで、ここに奥さん連中が頭を痛める問題が起った。相撲が始まると子供たちが近所の顰蹙の的・丸山家のテレビにかじりついて勉強をしないのである。民子が子どもの実と勇を叱ると、子供たちは、そんならテレビを買ってくれと云う。啓太郎が、子供の癖に余計なことを言うな、と怒鳴ると子供たちは黙るどころか、「大人だってコンチワ、オハヨウ、イイオテンキデスネ、余計なこと言ってるじゃないか」と反撃に出て正面衝突。ここに子供たちの沈黙戦術が始まった。子供たちは学校で先生に質問されても口を結んで答えないという徹底ぶり。この子供たちのことを邪推して近所の大人たちもまた揉める。オヤツをくれと言えなくて腹を空かした実と勇は原っぱにおヒツを持出して御飯を食べようとしたが巡査に見つかって逃げ出し行方不明となった。間もなく子供たちは駅前でテレビを見ているところを、節子の報せで探しに出た平一郎に見つかった。家へ戻った子供たちは、そこにテレビがおいてあるのを見て躍り上った。停年退職した富沢が電機器具の外交員になった仕事始めに月賦でいいからと持込んだものだった。
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