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お早ようのzhenli13のレビュー・感想・評価

お早よう(1959年製作の映画)
4.5
今週は小津監督生誕120年没後60年をむかえるので何か一本観ようと出してきた。小津監督作品を好きになったのはこの『お早よう』と『秋日和』からかもしれない。いまとなってはどれもこれも甲乙つけがたいが本作はいつ観ても最高に楽しい。子ども映画として『生れてはみたけれど』のセルフリメイク的な要素があるが開始1分以内にうんこ漏らす映画もそうそうないだろう。『生れてはみたけれど』の子どもたちにみられたラディカルさは三好栄子に付される。『お早よう』の三好栄子は最高である。
「えらそうに。てめえ独りで生まれてきたようなこと言いやがって。さんざん迷惑かけやがって。ろくでもねえ奴とくっつきやがって。ろくでもねえ子ひり出しやがって」
人生のすべてが詰まってる。

みのるちゃんとおさむちゃんの家にあるパステルカラーの引き出しは勿論のこと青い釉のかかった火鉢が印象的。
黛敏郎の音楽とオープニングの風景ショットがほとんど『ぼくの伯父さん』だわ。音映画だし。
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