天ちゃん

お早ようの天ちゃんのレビュー・感想・評価

お早よう(1959年製作の映画)
4.7
高度成長に向けて動き出す昭和30年代初期の家族とご近所が繰り広げる喜劇。

凄まじいテンポの良さと、当時の日本語の発音、独特の波の強弱が心地良すぎて笑ってしまう程だ。

ご近所付き合いは必須だった昭和。温かい人も居れば、めんどくさい陰口があったりとか、その両面を見せてもらえた。インターホンもないので誰でもかれでも玄関を開ける遠慮の無さも面白い。

一億総白痴だったテレビがもはや廃れて、個々のスマホに進化した現代、コミュニケーションはメールで済ませてしまえて、必要最低限の事しか言えなくなってしまった。たわいもない会話で得れる温かみ、子供には分からなくとも、夫婦の愛がそれで繋ぎ止められている状況下も多いのだろう。「無駄が無い世の中は味気ない」という台詞は考えさせられた。

サザエさんはこの昭和ならではの人情喜劇を、
平成・令和に生きる子供達に伝えようとしてくれてたのだと考えると、素晴らしいアニメだよなと気付かされた。
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