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どこまでもいこうのmmmのネタバレレビュー・内容・結末

どこまでもいこう(1999年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

きっかけはクラス替えだった。

ずっと仲良しの友人とクラス替えでわかれてしまったアキラ。

今まで通りいたずらをする団地での生活が続くと思いきや、新たな人間関係をそれぞれ築いていくうちに、価値観の違いが生じ、徐々にすれ違っていく。

新たな友人にも恵まれるが、その友人は親子心中でいなくなってしまう。

子供ならではの万能感は一心同体と思い込んでいた仲間同士だった時代には発揮されたが、実は自分と友人は別人であることに気づくことで失われてしまう。
団地という同じ形の家に住むことで、みな同じように思い込んでいた各家庭の事情は、全く異なることをようやく自覚する。

その孤独感は親からの自立ともまた異なる、子供時代に味わう孤独感である。


社会人になったら気づくことの多い、同級生と自分の価値観の違いを、子供の目線で見せていくのが見事である。
各家庭の事情は子供目線と同様に詳細には見せないが、垣間見える仕草や部屋の様子で何となく気づくことになる。その見せ方が絶妙である。

キネ旬ベスト9位を獲得した作品というのもうなずける。
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