このレビューはネタバレを含みます
月光の囁きとの二本立てで観た。
映画館にはお爺ちゃんお婆ちゃんが沢山いたので、月光の囁きで大丈夫かな?と思っていたが、こちらはなんとなく大人受けしそうな作品。作風が全然違う。
しかし描いているテーマはそんなに変わっていない気がする。月光では青少年のねじれてゆく感情がメインだったが、
こちらの作品は無垢な子供達の周りに平然と転がる死や狂気であり、その隣で遊ぶ子供たち、そして屈折せざるを得なくなる心、残忍さ。
とにかく主人公の少年の演技がとても良かった。子供たち全員良かった。
自分が子供の頃、団地に住む友達の家に遊びに行った時に感じた言葉にできない違和感だとか、小学生の頃を思い出した。
鬱病になる子とか、貧しい家庭の子とか、ぼんぼんの坊っちゃまとか、垢まみれの男の子とか、いろんな子が一緒くたになって公園で遊んでいた。
みんな何も気にしていなかったし、無遠慮だったし、単純で、でも何か感じていたことは今でもなんとなく覚えている。
住む場所や、出掛ける場所、会う人を選べる大人になった今よりも、よっぽど子供時代の方が、社会の現実みたいなものを突きつけられていたし、身近にあった。
そういう当時の感情が戻ってくる作品。