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ロード・オブ・ウォーのqpのレビュー・感想・評価

ロード・オブ・ウォー(2005年製作の映画)
4.0
 ユーリーは米国で子供のころにマフィアの銃撃戦を見てから、武器商人になることを決意します。才能を生かして巨万の富を得ていくが、という話です。

 武器商人の存在は知っていますが、実際にどのように売っているかは想像できませんでした。ユーリーが直接戦地まで行って売りに行くのは驚きです。色々な言語が話せますし、大きな輸送船で運んでいます。正直、最初の資金の得方はわかりませんでしたが、人脈の得方はどこの世界でも同じです。

 エヴァとの出会いはそんなに上手くやれるものなのか疑問に思いました。ほしい女を手に入れるのも戦略的、政治的です。

 でも武器商人はやはり危険とは背中合わせです。車爆発に飛行機の着陸などめちゃくちゃなシーンが続きます。戦争の現地まで売りに行っていると感覚が麻痺していっているように感じます。

 ユーリーのパートナーであった弟のヴィタリーも女遊びが激しく、また妻のエヴァも贅沢な暮らしを好んでいます。でも、人命に対する良心、常識を持ち合わせており、無実の人がなくなるという現実を突きつけられると気持ちが変わります。

 インタポールの捜査官バレンタインはユーリーを必死に捕まえようとしていますが、正義感だけになってしまいます。彼らの存在意義は結局出資者の意向に合わない人を第三者的に裁いてくれる存在程度なのでしょう。

 ユーリーが米国でウクライナからの移民ということが良かったです。正攻法では上がっていけないと感じた結果と感じます。

 武器商人の生きざまが見られて良かったです。きれいごとでは世の中回っていませんし、無関心でいられることが幸せなのかもしれません。戦争や武器だけでなく、食べ物は動物の命、またそれ以外のものは多くの貧しい人の労働、犠牲の上にあるところまで思いを馳せました。
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