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ジョゼと虎と魚たちのペンペンのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
4.2
妻夫木聡と池脇千鶴はもちろんのこと、二人を巡る人たち皆の演技が素晴らしかった。ジョゼのお婆さんを演ずる新屋英子のような女優は、今なら誰がいるだろう。
 
心根が優しい恒夫と、ハンディを背負った厳しい状況の中でも誇りを失わず強く生きようとしているジョゼの恋を、特別な例としてではなく普遍的に描いている。
 
恋に落ちる時の様子も、終わりを迎えていく時の切なさも、まっすぐ届いてきて、二人のその後も見えるようだった。社会の偏見や厳しさなどいろんな問題を描いていて、現実の苦しさに辛くなっても、二人の瑞々しさが映画から心を離させない。
 
余韻が美しく心に残った。脚本の渡辺あやさんはほんとにすごいと改めて思った。
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