がく

ジョゼと虎と魚たちのがくのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
5.0
なんやあの雲持って帰りたいわ

いや、もう。最高の話じゃないですか。
ラストの電動車椅子に乗るジョゼの後ろ姿を見て涙が・・・
ジョゼは恒夫の背中が好きだったんだなぁと・・・

恒夫なんで別れるんだよ。。
このクソ弱虫やろう、と思いましたが、まぁ色々あったんでしょうね。
なぜか昔付き合ってた彼女のことを思い出してしまいました。

福祉関係を目指している香苗の「障害者のくせに人の彼氏とるなんて」という台詞にはもうなんとも言えない衝撃を受けました。

ジョゼと恒夫の海の館でのシーンはもう、最高で密度が高すぎました。
「深い深い海の底からうちは泳いできたんや」「なんで?」「あんたと世界で一番エッチなことするために」
こんなに素晴らしいベットシーンでの台詞が今までにあったでしょうか・・・

ジョゼが海の底から抜けられたのは恒夫が居たからだと思います。
恒夫が居なくなったらまた海の底に戻ってしまうのかな・・・
もうジョゼは誰かを好きになったりしないのかな・・・

でもジョゼは恒夫と出会ったことで少し明るくなったような気がします。
恒夫が居なくなったら迷子の貝殻みたいに海の底をコロコロ転がり続けることになるんやろなとジョゼは言い、寂しいじゃんという恒夫に「でもまぁ、それもまた良しや」と言っていました。
ジョゼが海で貝殻を拾ったように、また他の誰かが迷子のジョゼを拾ってくれるんじゃないかなとおもいました。それは楽観的な考え方なのかもしれませんが、そう信じたいです。

妻夫木聡と池脇千鶴の演技がもう最高でした。ジョゼの言葉を一つ一つ大切に選ぶようにして喋る台詞の数々がもうたまりませんでした。

人は弱さや強さを抱えながら生きている。
恋愛映画最高峰の物語でした。
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