マーくんパパ

コッポラの胡蝶の夢のマーくんパパのレビュー・感想・評価

コッポラの胡蝶の夢(2007年製作の映画)
3.9
黒澤明は『夢』として自身の懐かしき思い出を映像に焼き付け人生オマージュ作品として仕上げたが、コッポラはちょっと違う。極めたい領域、やりたい事がまだ一杯あるのに老いによる時間とのジレンマ、愛を引き換えにした探求の継続を雷にうたれて若さと予知能力を得た1人の言語学者を自身に仮託してその苦悩(未練と絶望)を描いたものと解釈。鏡の中のもう1人の自分、愛する人と瓜二つの言語超能力ある女の老齢化と引き換えに探求の最終極地まで過去を遡る老いを知らない自分。創造者コッポラがの足掻き苦しむ姿を見た様な思いの映画でした。