リコ

女と男の危機のリコのレビュー・感想・評価

女と男の危機(1992年製作の映画)
3.3
コリーヌ・セロー得意の社会風刺コメディだけど、これはブラックユーモアがきつく、イカれた部類に入るやつ。

ある朝突然、妻に愛人と出奔された男。出社してみるといきなり首になり、泣き言を言いたくとも友人たちはそろって夫婦崩壊の危機で、田舎の母親も愛人とランデヴーに出発するところ、さらにどんくさいホームレス男につきまとわれて、徐々に地獄巡りの様相を見せ始める…。

邦題の「女と男の危機」そのまんまな序盤(マルクス兄弟もびっくりなスシづめギャグ!)から、現代のブルジョワやスノッブたちへのおちょくり、テンションがいちいちおかしい人物たちにもみくちゃにされて無常の境地に至った主人公(若きヴァンサン・ランドン!)が迎える結末は、サプライズには欠けるものの、「まあいい勉強にはなっただろ」みたいな感。

主人公たちに引導渡して、若い恋人と去っていくママンの台詞が良かった。
「長続きなんかしなくていい。たとえ1時間でも恋は恋よ。時間なんて無意味だわ。」
リコ

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