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酔いどれ詩人になるまえにのtulpenのレビュー・感想・評価

酔いどれ詩人になるまえに(2005年製作の映画)
4.4
チャールズ・ブコウスキー原作の自伝的小説の映画化。

お金が底を尽いて住む家もなく、
それでも懲りずに飲んだくれる日々。
だけど、お酒飲みたさにとにかく仕事にありつこうとあらゆる職を点々と・・・。

そこがまず えらいw

そんな生活の中でも唯一続けているのは“書く”こと。
湧き出てくる言葉を書き留めずにはいられない。
その原稿をポストに投函するシーンはまるで何かの儀式のようだ。
何度かそのシーンがあるんだけど
何でかはわからないけどそこで涙がこみ上げてきて仕方なかった。
なんでもない生活の中にこういう神聖な瞬間って
きっと誰でも持っているような気がする。本人さえ気づいていなくても・・・・。


若きブコウスキーを演じたのはマット・ディロン。
自堕落な恋人にはリリ・テイラー 。
こういう役を演じさせたらこの人の右に出る女優は見当たらない。


終わったあと思い出したのは
村上龍の言葉でした。

「何かになるという可能性を全部消去していったら、
自分には書くことしか残らなかった…」


静岡シネギャラリーにて。
2007.11/14 (92)通算1044
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