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エイリアン2のtakaeのレビュー・感想・評価

エイリアン2(1986年製作の映画)
3.9
ノストロモ号での惨劇、エイリアンとの死闘で唯一生き残ったリプリー。

2144年。57年間の冷凍催眠状態から救出された彼女は、あのエイリアンとの死闘を繰り広げ、今や人の住む植民惑星となったアンチェロンとの交信が途絶えたことを受け、調査のために海兵隊員たちと共に再び悪夢の地に降り立ちます。

前作が、得体の知れない未知のものへの恐怖が静かにじわじわと体中を侵食し、そのむせ返るような恐怖の香りで息が詰まるような感覚を覚えたのに対し、今回は既知のものと対峙し、その圧倒的強さに自らの命が脅かされる恐怖がダイレクトに伝わってくる、とでもいうのか...

同じ閉鎖空間でのエイリアンとの対峙、攻防というテーマで監督が変わるとここまで違うのか!

前作の、密室で未知の生命体にじわじわ追い詰められる恐怖を描いたSFホラーから一転、今回は無数のエイリアンとの追いかけっこガチ勝負というSFアクションに方向転換し、エンタメに振り切っているのが面白い。

今回はガチ勝負というだけあり、エイリアンの全体像が割とはっきり映し出されますが、いやぁ本当に気持ち悪い(褒めてます)

黒光りするぬめっとした表面、あの頭の形や口から口が出てくる(?)造形、節足動物のような手足、ムカデのように長くうねる尻尾。
生理的不快感と恐怖感の権化みたいな感じで(しつこいけど褒めてる)出てくる度に本気でギャー!ってなりました。

しかも一体ではない。無数のエイリアンが一気に攻めてくる。
その迫ってくる様子を探知機のモニターの点滅で表現しているところがまた恐怖感を煽る演出として効果的。姿は見えないけど、あと10m、8m、5m...と近づいてくるのが視覚的に分かるというのが本当に怖かった。

そして、終盤からの畳み掛け、これでもかという程ギアが上がっていくところも良い。
もうこれ以上逃げ場なし、万策尽きたというところからさらに一段も二段も困難がアップグレードし、緊張感が続く中で感じるラストのカタルシスは本当に格別。こういうところ、本当に上手いなと思います。

そして今回は、惑星にひとり取り残された少女を命がけで守ろうとするリプリーと、卵を守る女王エイリアンとの戦い、つまり『母vs母の戦い』というのがアツい。

エイリアンにも母がいるということで、前作よりもエイリアンの神秘性?が薄れ、代わりに生々しさが増したような気が。
個人的にはアンドロイドの立ち位置含め、リドスコの描く静謐さと陰鬱な雰囲気の方が好みではあるものの、エンタメに振り切った今作もすごく面白かった。

こういう舵取りで続編がここまで面白くなったのは、ジェームズ・キャメロンの手腕に他ならないのではないかと思います。

いやー面白かった。
母としての強さが加わり、より美しく逞しくなったシガニー・ウィーバーのリプリー。
そしてマイケルビーン カッコよすぎか!3をまだ観ていないけど、どうかまた出てきて欲しいと願うばかりです。

1に引き続き2も思う存分楽しむことができました。このまま3も観るよー!
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