松長もんど

サンタ・サングレ/聖なる血の松長もんどのレビュー・感想・評価

4.2
僕らを悩ますアレハンドロ・ホドロフスキー監督作品。

『エル・トポ (1969)』『ホーリー・マウンテン (1973)』ときて、本作はかなりビビって観賞に至ったが、巷の噂通り非常に分かりやすく作られており、ラストにはなんと感動すら覚えた。
そんなの当たり前じゃんと思う人もいるかも知れないが、この2作を観ている人にとっては何も不思議ではない答えだと思う。

その”分かりやすいストーリー”に関しては、ホドロフスキーの自伝的物語にもなっている。『エル・トポ (1969)』にも同じ要素はあったのだが、ストーリーが明確化されているぶん、本作のほうがより感動できるのだ。

先述した2作のようなものを期待した人(よっぽど変態な人だろう)にとっては、大衆向けに作りやがってと感じるかもしれないが、似たような作品はもう充分ではないだろうか。
まるきし変貌したと言うのなら話は分かるが、本作にもちゃんと訳の分からない描写は健在であるし、何しろ面白い作品であればそれでいいじゃないか。