不愉快極まりないけど、無邪気な破壊や虐待があまりにも徹底しすぎていて目が離せなかった。変な歌や高笑いが頭にこびりついて離れない。
それを演じる小人たちに不満気な様子がなく、実に楽しそうで。
映画の撮影とはいえ、車壊したり火をつけたり動物ぶん回したりと暴れ放題できるのはカタルシスあっただろうなあ。イメージダウンは必須だけど。それを観て笑ってしまった自分自身を嫌悪した。
映画で鶏をこれほど凝視したのは本作と「ロッキー」ぐらい。
「弱者は、さらなる弱者を虐げる」という障碍者と健常者で何も違わない人間の惨めな本性を炙り出す...とかいう意図が根底にはあるんだろうけど、
ヘルツォーク自身は単純に小人が暴れ散らかす見世物小屋映画を撮りたかっただけなんじゃないかと思ってしまう。
まあなんにせよ、相当変な人ではある。