Laura

マン・ハントのLauraのレビュー・感想・評価

マン・ハント(1941年製作の映画)
3.5
フリッツ・ラングの反ナチス&戦意高揚映画。中盤以降ご都合主義で展開が読めてしまう部分もあるが、何と言ってもジョーン・ベネットの役どころが素晴らしい。ロンドンの街娼だが、上流階級の主人公が自分に手を出してこない、初めて淑女として扱われたことに戸惑ってすすり泣く姿の可愛らしいこと。ラングには珍しい繊細な女性心理の描写だ。ラングはこの後ベネットを主役に言わずと知れたノワールの傑作を数本撮るわけだが、王道メロドラマも観てみたかったと思わされる。彼女がベレー帽に着ける矢のブローチもシンボル使いのうまいヨーロピアンのラングならではの小道具。霧がかったロンドンのセット撮影も見事だ。
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