単に素なんだけどジェーンの「親戚のおばさん」リアリティに度肝をぬかれてたまに観ちゃう。妙にbreathyな声のあるある感だけで見事だし、エプロンを首からかけるだけで紐を結ばないようなそっけない線の細さも、気やすいお節介も、有閑マダム的鷹揚さから覗く感情の熱波も、食後のタルトの勧めかたも完璧(しかも一度は全員に取り分けられるけどなんやかんやあって誰も一口も食べずじまいなのがすごい)、親戚が何人か浮かんでくる。
ニコラが恋人のマリアンヌを所有物だと思ってる5歳児くらいのアホかつ無責任な人間で、そりゃあ物語から置いていかれるよね。ことの発端でありながらこの存在感の薄さ。そこからマリアンヌが徐々に解放されていくのがわかるけど、そのためにヌードを延々と晒さないといけなかったっていうのはバカらしい。脱ぐことで解放される、精神的に一皮むけるって言説は若く美しい女性にばっかり使われるけど、それなら老若男女いろんな人みんな脱いで解放されたらいいじゃない。でもそういう映画は撮らないよね。
