半兵衛

ルパン三世 念力珍作戦の半兵衛のレビュー・感想・評価

ルパン三世 念力珍作戦(1974年製作の映画)
1.5
モンキーパンチの原作をリスペクト(ルパン帝国の件や、スケベなことにしか関心のないルパン、エッチなナンセンスギャグ)しているのはわかるけれど、サイレント時代レベルのギャグが怒涛のように繰り出され話の筋も映画黄金時代に作られたコメディ映画と対して変わらないので結果見ているこちらがひたすら寒さとつまらなさを最後まで味わう羽目に。坪島監督の演出もクレージーキャッツのときよりひどくなっていて、ロケーションの大半を新宿あたりですませるという低予算っぷりといいプログラムピクチュアの終焉を感じさせる。あと『念力』という当時はやっていたブームを安易にタイトルにつけたり(本編では念力は使われない)、企画に赤塚不二夫の名前を借りたりといったことも最後のあがきを見ているようで切なくなる。

目黒祐樹のルパン三世はアニメというより原作の軽薄なルパンっぽくて意外と好きだけれど、峰不二子が悪女というより場末のスナックのホステスみたいな感じなのがつらい。別にグラマーでもないし、なんでこの女優にしてしまったのか。次元や銭形警部は…演じている役者のイメージそのまんまで特に言うことはない。

同時にあんなコミックテイストの原作をリスペクトしつつ独自に昇華し、今でも通用するブランドに仕立てたルパン三世のアニメスタッフの力量に感心する。
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