学校でネマツァデはノートに宿題を書いてこなかったため、先生から酷く叱責され、次回同じことをすれば退学だと言われる。その後、ネマツァデの隣に座っていたアハマッドは帰宅後、誤ってネマツァデのノートを持って帰ってしまった。アハマッドはネマツァデの家にノートを返しに行こうとするが...。
ストーリーはひたすらアハマッドが懸命にノートを返しに行くことに絞った分かりやすいものになっており、アハマッドの友達を心配して必死に頑張る姿と、子供の話を一切聞かず、自分の都合や意見を押し付ける大人たちの醜い姿で構成されています。
アハマッドは元々優しい顔立ちの少年ですが、友達の心配で思い悩む姿も愛らしく、観ていると彼を応援したくなります。彼一人で地球の明日を背負っているぐらいの使命感で友達の家を探し続ける姿は観ていて辛かったです。
それに対し、母親も祖父も一切、アハマッドの話を聞こうとせず、自分の都合ばかりを押し付けており、観ていてかなり腹立たしい気持ちになりました。特に祖父の暴力で礼儀を教える考え方を聞いたときは「てめえ今すぐ三途の川渡らせるぞ」と思いました。
学校の先生も、ノートの代わりに別の紙に宿題をやって来たネマツァデに対し、目の前でその紙をびりびりに破いて、退学だと脅すとは何を考えているのかと思いました。
子供の必死な思いの詰まった作品になっており、大人たちに苛立ちながらも最後までドキドキする展開になっていて面白かったと思います。
鑑賞日:2022年10月5日
鑑賞方法:BS/CS BSプレミアム