別に好きではないのだけど、これは凄いなぁという感じ。
イランという国でしか撮ることができないそんな映画だったように思える。
それはストーリーがではなく、この映画の世界観。ヤギやニワトリがそこら中にいるのが当たり前な雰囲気であったり、一つ一つの家の雰囲気もそうだし、人間も独特だ。靴下のかかとの穴が気になる。
なんだか違う異世界を観ているような気分に近い。それはずっと都会に住んでる自分が祖父母の家がある田舎の村に行ったときの感覚にも近いし、どうぶつの森をやってる時の感覚にも近い。
このほのぼのとした雰囲気に挟まれる音楽も良かった。
単なる友達の宿題ノートを間違えて持って帰ってしまって届けるだけのストーリーであるにも関わらず、今作は当時のイランのこの地域の社会状況、大人の子供に対する扱いへの違和感など、様々な要素が浮かび上がる。さらにそこには、この子供はどうなってしまうんだ?といったある種の緊張感もある。
様々な場所を行ったり来たりしている感じも(ジグザグの山道だったり)観客を引きつける要素として働いてる。
そして最後には花を添えて終わりを迎える。素晴らしすぎるくらい綺麗な映画でした。
あまりにも整えられすぎて、なんだか好きになれないそんな映画でもありました