イラン映画初めて観ましたが、なんと言いましょうか、カルチャーショックでした
子供出てる映画が好きで、今コロナで家にいる時間が多い方、この機会に見てみるといいと思います
この映画はなんの映画かと聞かれれば、子供の眼を通してみる世界についての映画
ある日の朝担任の教師が宿題を忘れた級友のネマツァデをこれでもかと言わんばかりに怒鳴り、次やったら退学という宣告まで受ける
そんな様子を隣で終始不安げに見つめるアハマッドだか、家に帰って鞄を開くとそこには自分のノートともう一冊のノートが
彼はネマツァデにノートを返し退学にならないよう、遠い隣の村まで駆けていく、、、
登場人物ほとんどが演技経験のない、素人の子供を採用しているらしいが、アッバス・キアロスタミ監督がどのように演出したのか、カメラを全く意識していない、不安と怯えに満ちた、台詞以上に感情を訴える表情をしている
そしてその不安、怯えの対象はこの映画に出てくるほぼ全ての大人に対するものだ
教師、母親、祖父、、、その誰もが彼ら子供にとってあまりに厳しく映る様子をアハマッドの目を通して目の当たりにする
宿題をせずに遊びにいく友だちの誘いも「宿題をやるから」と断り、母親の代わりにまだ小さな兄妹をあやす彼は、おそらく言いつけも破らない真面目な子なのだろう
そんな彼に対して、子供だからと邪険に扱い、まともに取り合いもしない大人たちになんとも腹立たしくも感じられると同時に、アハマッドの子供ゆえの判断の甘さみたいなものに「あぁっ!」って思わず声すら上げてしまう
それでいて彼が隣村までかけていく様子はどこか自分の小さかった頃も思い出させる
もしかしたら、大人にとっては遠いと言っても大した距離ではないのかもしれない
でもこういう小冒険って、その後親に怒られた経験も含めて、忘れられないものになったりするんだよな、、、なんて思ったりもしました。