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怪談鬼火の沼のmitakosamaのレビュー・感想・評価

怪談鬼火の沼(1963年製作の映画)
3.8
怖ぇ。単純に怖ぇ。いわゆるシンプルな怪談だけど、演出が昨今のホラーっぽい。
背後にスッと血まみれの男がカットインするとかが、結構多用してる。
ストーリーも伝承された古典じゃなくオリジナルなので自由度が高い。

役職ある坊主(御数奇屋坊主というのか?)宗伯が職権乱用して袖の下を貰う所から始まる。
宗伯の悪事の為に犠牲になる人も出る。さらに宗伯の甥の敬助が遊ぶ金欲しさにたかりにくる。

賭博で敬助に借金の催促をする三郎太。コレが若山富三郎で、当時の大映での芸名が城健三郎。かっこいい。
で三郎太が金の為に敬助を煽る。宗伯を殺せ!と。
悪い。登場人物みんな悪い。

宗伯の道楽の園芸をする為の温室があり、そこに閉じ込めて火を炊き蒸し殺そうと算段したが、失敗する。
関係ない侍女の八重が殺されちゃう。宗伯に迫られたり可哀想な八重。

八重の兄を名乗る男も三郎太が斬り殺しちゃう。

そこから化けて出る化けて出る。割とハイペースで化けて出る。

と、思ったら、ラストにどんでん返しでひっくり返されるんだなぁ。ビックリ。

あとコメディリリーフで中田ダイマルラケットが出てくる。コレが喋くりまくるんだわ。談志が一番好きだった漫才師だけのことはある。

シンプルな怪談故に、時代のオーパーツ的な異端性も感じるな。
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