えいがドゥロヴァウ

アンドロメダ…のえいがドゥロヴァウのレビュー・感想・評価

アンドロメダ…(1971年製作の映画)
4.0
「ジュラシックパーク」のマイケル・クライトンが1969年に発表した小説が原作

アンドロメダ菌株(ストレイン)は微小な地球外生命体!
こいつが体内に取り込まれると血液が粉状になって死んじゃうぞ
怖い怖い
生物の基本的な構成物質であるタンパク質、酵素、核酸を有さないが、結晶体構造によって有機的な機能をまかない増殖を繰り返す
代謝(排泄)をしないというのが地球上のウィルスと共通しています
そもそもウィルスは「生物兵器」と呼ばれるけど
細胞を持たないため生物と定義できるかどうかは微妙なのだそうで
生物と非生物の境界はどこか?という命題を考えさせられます
広義でのファーストコンタクトものとも呼べるのでしょう

映画は特殊な研究所のなかでこの病原体の正体を暴こうとする様子がひたすら描かれています
SFは好きだけど科学的知識にはてんで疎い自分にとっては
実験検証の過程をじっくり観察すること自体が興味深く
単調な展開にもかかわらずワクワクしながら観られました
ジェイムズ・P・ホーガンの小説「星を継ぐもの」(1977年出版)で、チャーリーやガニメアンについて研究や考察を重ねる科学者たちが連想されます

特撮がとにかく素晴らしいです
研究所の立体図面映像
アンドロメダ菌株が顕微鏡を通した丸い画面の中で不気味に揺動するさま
結晶体が増殖する映像などなど
そしてその特撮を手がけたのは、そう、マイブーム(笑)のダグラス・トランブル
レトロフューチャリスティックなセット、ハイテクな諸々の設備のデザイン、ノイズや機械音を多用した無機質な音楽も相まって、見応え十分な作品世界が展開されています
動物実験でマウスと猿がもがき死ぬシーンはどうやって撮ってるの?とビックリしましたが、二酸化炭素を充満させた空間に動物を入れて酸欠状態にしたそうです(日本語字幕がついていない不親切なメイキング映像より)
虐待だと非難されそうですがとてもリアルでした
赤ちゃんをずっと泣かせ続けるのも虐待でしょうかね…笑

終盤は急展開でハラハラドキドキ
ハードSF好きにオススメです