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あゝひめゆりの塔のJumblesoulのレビュー・感想・評価

あゝひめゆりの塔(1968年製作の映画)
4.0
大戦で一般人を巻き込んだ悲劇である、ホロコーストと広島に並ぶ沖縄戦線の実録もの。
この題材は何度か映画化されていて、これまでは今井正監督の82年のセルフ・リメイクのカラー作品を鑑賞済み。そちらは引率の女性教師が主人公だった。
この升田監督版は女生徒が主人公で、モノクロのせいか生々しい映像。自決手段で手榴弾で自爆なんて、本当なら凄惨すぎる。
爽やか映画のイメージしかなかった吉永小百合の熱演が素晴らしい。特に泣くシーンの名演は忘れられない。和泉雅子が負傷のため自決する迫力と美しさも印象に残った。
若手女優の実力を鍛える作品として貴重な題材だが、今時の芸能事務所はこんな過酷なロケにはタレントを出さないだろうな。なので近年は再度のリメイクの話も聞かなくなった。
ちなみに、演出で本編に出てもいない渡哲也が出てくるプロローグは不要。タイトル・バックが出てくるまで飛ばして観るのが正解。
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