面白かった! クリント・イーストウッドが率いるのは西部劇ショーの旅芸人一座。様々なトラブルに見舞われながら、彼らがいったいどこに向かうのか。先読みができないストーリーが普通に面白いです。金もテントも失った一座の行き先が精神病院だなんて、誰が予想する?
私はこの映画を見て、すごく幸福な気分になったんですよね。一座の芸人たちの絆が深く、リーダーであるクリント・イーストウッドを信頼していて、全員で危機を乗り越えようと団結している。それがまず素晴らしい。そして、時代遅れにも思える彼らの芸も、アメリカ市民に愛されていて、他愛のないショーの内容でありながら、行く先々で満員の聴衆から喝采を浴びる。それが実に幸福なのです。
本作の主人公はきっとクリント・イーストウッドの自画像なのでしょう。時代遅れと言われようと、西部劇というロマンに生きる男。きっとそうに違いありません。そして本作は、変則的な手法で西部劇を現代で描く実験作と言えそうです。
BSプレミアム「プレミアム・シネマ」にて。