ロアー

エレファントのロアーのレビュー・感想・評価

エレファント(2003年製作の映画)
3.8
コロンバイン高校の銃乱射事件を描いたガス・ヴァン・サント監督の映画。

よくも悪くも淡々としたごく普通の等身大の高校生の日常がそれぞれの目線で描かれていて、フィクションではあるものの、”これがあの日、彼らに起きたこと”という言葉ふと頭が浮かんで、限りなくリアルに感じられました。
実際、高校生役の子たちはみんな本当に高校生で台詞も即興だったとか。
あの日、あそこにいた人たちは誰も今日、自分や友達がみんな死んでしまうんだと知っていて朝学校に行った訳じゃないんですよね。だから、これからどこ行こうかなんて話もするしダイエットもするし「また今度会った時」なんて言葉も使うんですよね。当たり前なんだけど、今日と同じく明日も生きていると信じて疑ってなかった何気ない日常を思って辛くなりました。

簡単に銃が買えてしまうアメリカの怖さ。
ちょっとしたことが生死を分ける切欠になる危うさ。
「今日死ぬんだよな」と呟く犯人たちのどこか現実みがなく落ち着いた様子も恐ろしかったです。
「キスしたことないんだ」って、ちょっとホント早まり過ぎてる。あの年頃の生きづらさも分かるけども。でも、でもっ!!

そしてケニーは何だったんだろ、何がしたかったんだろ・・・
ロアー

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