みんと

エレファントのみんとのネタバレレビュー・内容・結末

エレファント(2003年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ずっっと観たかったガス・ヴァン・サントの問題作。ユーネクストに感謝…。


金髪の少年がアル中の父親の世話をし、逆に見た目が地味でいじめっ子への憎しみを表に出さない少年が事件の犯人になる。人は無意識のうちに、目に見える情報だけで人の感情を境遇を決めつけたり、逆に見えない部分には見えないことを良いことに無関心になる。校長先生はそんな人間の象徴的人物。知ろうと努力しないと、いとも簡単に加害者にも傍観者にもなれてしまうのだ。

学校は社会の縮図とよく言うが、この作品を観てまさにそうだと思った。誰かの誰かに対する憎しみは、社会という大勢の人のいつも通りの日常で生まれ、埋もれていき、そして爆発してからその存在に気が付くのだ。
80分という短さで、満遍なく複数人の感情や生活を俯瞰的に追うことで、このように考えさせられることが多くあった作品だった。
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