Yuki

エレファントのYukiのレビュー・感想・評価

エレファント(2003年製作の映画)
3.8
結末を知っているから
何気ない、自然にあるような
登場する人物の台詞一つ一つ
挙動一つ一つに問題を見出そうとしてしまうし、関係性を深く考察してしまう

未熟なあの頃の俺たちが
学校っていう閉鎖された答えのようなモノをひたすら突きつけられるような環境で
そこから外れれば指を刺されるような
人が人をコントロールするような狭い世界で
未熟なその人間性のまま
もし絶望したら、
その場では暴力しか持ち合わせていない
狭く生かされて、狭い視野。


責任の所在を考えても、複雑で絡み合ってるこの世界じゃ一つに集約する事はできない

銃社会が悪い
いじめが悪い
学校の対応が悪い
家庭環境が悪かった
触れてきた映画、音楽の影響のせい

いくらでも考えれるようで、全て思考停止
もはやそれに対する対応策のアイデアが
あの2人を生み出したことの証明にしかならない

一つの問題定義を掲げたところで
人間の歪んだ行動への根本的な解決にはならない

それでもやっぱり矛盾しているけれど
個々人が心得れる
救えるとする答えとして一つ集約するなら

家族だと思う
愛だと思う

結局は階級社会に管理社会
学校はそれのペースト

この資本主義の
社会全体を変えることはできずとも
現在の資本主義社会でも個人の共同体を持てば、その原理から切り離された社会を成し得る。

誰しも持てる共同体は家族。
(血が繋がってなくても、友人は選べる家族だと思う)
そこで本当に健康的な人間の姿とは何か
理性と謙虚さ。
愛を掴んだ人達で家族といえる人が
一緒にいれば
世界を変えれると信じてる
というか進化できると信じてる

これも結局理想論とか吹き飛ばされた
この夢をこの頃の時代の自分を思い出してこれからも追っていきたい

って自分の思考がぶんぶん展開するくらい
事実だけを淡々と描いていった
感情移入させられた長回しの撮影は、素晴らしかった👏
2回目でその真価が伝わりそう。
どこに向かってどういう感情でいるのかが初見よりは感じれそう。
観客1人1人にただ後味が悪いとか、何が問題かを、何が救いになれたのかをぶん投げれる余白のある作品は大好きだ
最後のイミニミマニモのやり取りで
心は離れたけれど。

子供が子供らしい輝きがない世界は地獄だ
愛のない世界は
いつだって冷たくて、閉鎖的。
だけど人間は愛を持って生まれてるから
負けない力を持ってるはず。

負けねえーーーーというか
勝ち負けじゃねえーーーっていうくらい
ネガティヴぶっ飛ばして笑っていこう

タランティーノから今日この映画は
ある意味タランティーノの映画の楽しさの無限の可能性を感じてしまった一日になったんでYEAH。
Yuki

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