このレビューはネタバレを含みます
鑑賞する前は、ポスターに写る金髪の少年こそが、銃乱発事件の犯人なのだと思っていた。
だがそれは誤った仮説なのだと思い知らされた。
この作品に明確な主人公はいない。短編のようにセクションが細かく分断され、1人もしくは2人の登場人物がヒューチャーされるが、これと言って何も起こらない。
ごくごく当たり前の日常に突然雷のように勃発する銃乱射。
現実はドラマチックではないし、惨憺たる事件にも明確な根拠は存在しないのかもしれない。
『ピアノソナタ第14番』と『エリーゼのために』を奏でる美しく静かなピアノのメロディーだけが、今も頭に残っている。
"Elephant in the room."
巨体の象が部屋にいても誰も言及しない様子。触れてはいけない話題。