ひまじん

エレファントのひまじんのレビュー・感想・評価

エレファント(2003年製作の映画)
3.8
実話が元なのがびっくり。
撮り方、演出によって感じ方がこんなに
変わるなんてと痛感しました。
セリフの無さ、カメラワーク、複数の
登場人物目線で表現する場面シーン、
音の静けさ。人ひとりの当たり前の日常であって、その日をそれぞれ生きてたんだと刷り込まれました。
自分もあの学校の廊下で誰かの後ろを歩いてるみたいでした。

その日常が卒然と破滅する瞬間は一瞬。
実話に基づいてる事をここで突き付けられました。
作り話ならいじめる側・先生だけが被害に遭う、いじめられてる側は救われる等と善悪判断で展開しそうですが、そうはいかず。
これが現実でした。でも加害者側もただのサイコパスでは無く人間に感じたし、そんな理由でとも思えないのは共感できる部分があるからですかね。自分を取り巻く世界を一掃したい気持ち。

簡単に手に入る銃社会への恐怖、カースト制度が絶対的な学園生活で生きる息苦しさ、見終わった後に感じました。

演出が素晴らしくて制作側に拍手喝采の映画でした。