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エレファントのwhitelilyのネタバレレビュー・内容・結末

エレファント(2003年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

1999年アメリカコロラド州で起きたコロンバイン高校銃乱射事件を題材にした作品。
在学するふたりの生徒が構内で計画的に銃を乱射し12名の生徒、1名の教師が命を奪われた痛ましい事件。重軽傷者24名。
事件を起こしたのは17歳の少年。

正直この作品…ストーリーがない。
事件に興味を持ち、なぜこの事件が起きたのか。事件の経緯は?原因は?など事件の詳細を知りたい方には不向きな映画。なぜなら事件の詳しい内容には一切触れていないので。
代わりに映し出されるのはキレイな空、校舎の周りの静かな風景、そして普段通りの何気ない一日を過ごす教師や生徒の姿。どこまでも平穏な内容にこちらが事件はいつ起きるんだろう?とソワソワ。

事件が起こってしまうその瞬間からラストまでもが、特に盛り上がりもなく静かにたんたんと虐殺の様子が描かれていく。静かな校舎に銃声が響き渡る異様な光景。何が起こっているのか分からずとりあえず校舎を離れる者、目の前で銃に倒れる者を見て固まる生徒たち。そんな最中でさえ映し出されるのは冒頭に映し出されるのと同じ晴れたキレイな空。

こういった世の中を騒がせる大きな事件も、普通の日常をいつもと変わりなく過ごしていた人々に起きた事件だったのだという事実に気付かされる作品。誰もが予測できない死の瞬間に立会う恐怖に背筋がヒヤッとする。
一日一日を大切に生きないとなぁ。
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