SyunpeiTakada

エレファントのSyunpeiTakadaのレビュー・感想・評価

エレファント(2003年製作の映画)
3.5
淡々と、常に淡々としている。
最初は「あれ?これどういう映画だったっけ?」って分からなくなる。
コロンバイン高校銃乱射事件が元ネタで、それだけ聞くと凄惨で、すごく映画っぽさを感じてしまうのだが、そんなことは全くない。なんならどこにでもある普通の高校にカメラを置いてたら、事件が起こっちゃいました、みたいな。多感な時期の色んな少年少女を撮っていたら、その中に犯人が居ただけ、みたいな。

そんな何でもない映画だから、逆に強く教えられる。衝撃的な事件が起こっている場所は、何でもない日常の中だということに。
今思い返してみると、こういう映画をもうひとつ知っていた。是枝裕和監督の「誰も知らない」。あれもトラウマ級に胸に突き刺さるものがあった。

ただ、少年少女のそのままを写しているためドラマは感じにくい。不思議とつまらなくはならないけど。嫌いじゃないけど、面白い!とはならなかったなあ。
もうちょっと余裕のある時に落ち着いて見直したら、その他の少年少女の機微にもっと気づけるかもしれない。

ちょっとだけ時系列ずらして別視点のカットから始まるのとか良かったなそういや。頭の中はごちゃごちゃなるけど。
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