レインウォッチャー

バトル・ロワイアル II〜鎮魂歌(レクイエム)〜のレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

1.5
■RWと48の地獄⑨
奪われた体の一部を取り戻すため、RWは大晦日までに48の魔物を倒さねばならない!奴等は地獄映画の中に潜んでいる…

□戦績
10体目を目前にして、現時点最強の魔物とエンカウント。なにせ此奴、3段階に変身するのである。

前半はひたすら「どうでもいい」地獄。
前作バトロワ後の世界で、BR法に反逆しテロリストと見なされた少年たちを討伐するためにまた少年が使われる…という、負のスパイラルに陥ったディストピアが描かれる。

で、その少年たちが無策すぎる行軍の中で続々と散っていくのだけれど、いかんせん「で、誰なん?」の連続なのだ。

なんかドラマチック風な顔と台詞で決めてる風なのだが、個々に物語の蓄積が全くないので、画面がそこそこちゃんとしてるぶん余計にミストサウナくらいの無抵抗さで死が流れていく。
爆弾のバディシステムとか使いようによっては深みを出せたはずなのに、単に時短(倍で頭数を減らす)くらいにしか役に立ってないのが勿体ないところだ。

次に、一時間過ぎたあたりからは「押し売り」地獄へとトランスフォームする。
我らが藤原竜也さんが満を持して登場し、ひたすら「戦争はよくないよ!だって戦争はよくないのだから…」みたいな演説を思いついたように繰り返すのだ。

『キャシャーン』すら上回る勢いの、1リットルのスムージーにされた豚トロのごとき脂身に胃は限界だし、こんな役を被った藤原先輩が不憫だ。わたしが彼の母親だったら「いつでも実家に帰ってきなさいよ」と電話していることだろう。

そして、迎える終盤…
なんと、このふたつの地獄が合体するのである!絶望だ。絶望しかない。ある意味完璧な構成。

どうでもいい面々に感染していく押し売り気質。こちとらこの波状攻撃をさばくのに精一杯なため、竹内力の雑なギャグとかに反応してる暇はない。
次第に朦朧とする意識の中、ああ『~鎮魂歌(レクイエム)~』ってわたしに向けられたものだったのか、と理解するのであった。


□倒しかた
この映画を観終えたのならハーゲンダッツを掻き込んでも罪悪感ゼロ。チートデイのお供にぜひ。


□分類
ほぼフリーザ地獄


□取り戻したパーツ
244kcal


□次回予告
怪速!『●●●●超特急』!
>>>To Be Continued...


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for Manamy 様
https://filmarks.com/movies/29587/reviews/121899657