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バトル・ロワイアル II〜鎮魂歌(レクイエム)〜のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.2
前作の北野が北野役、に続き、竹内力、竹内力役。その最後の件、なんなの、ぶっ飛んでるな。
さすが深作組。

前作は前田亜季で、今作は前田愛。前田亜季の方が妹ではなかったっけ。でも、あれ、愛の方が年下になる設定?
さすが深作組。

忍成修吾、酒井彩名、石垣佑磨、黄川田将也、勝地涼、真木よう子、加藤夏希、青木崇高、今や色んな作品で名を轟かす当時の若き名優たち、前作も凄かったが、本作も負けてない。
黄川田将也はインパクトはあるけど、あのキャラであれであそこで終わらなければ結構全体の流れに影響してたんだろうな、もっと見たかった。残念。
青木崇高も見てくれの存在感がスゴい。さり気なく結構冷静な立ち振る舞いしてるし、セリフは少ないけど頼れそうなキャラの臭いを漂わせまくってる。絶対もっとイケたんじゃないか?
という、今観ると「もったいねー!」のオンパレードが堪らない。

話は前作のクラスの仲間同士の殺し合い、ではなく、藤原竜也演じる七原が前作の後に立ち上げたテロ組織との対立構造の殺し合い。つまり、子供のテロ組織は子供等でなんとかしろ、と。子供同士で殺し合ってくれ、と。それが新たな「BRⅡ」法。

テロを悪とし屈しないと言う大人の正義も、大人を悪とし、大人の勝手な理屈で子供が虐げられていることに対して戦う正義の対立構造。
このどっちも正義として描き、七原側の子供達の正義にも「大義だ大義だと戦って血を流して、命を落とす。それって、命を軽んじる大人と同じだろ」とここにもちゃんとツッコミを入れて、どっちが善で悪だという構造に微妙なバランスを保つ。

七原を悪に立ち向かう正義のヒーローでもなく、革命を先導するジャンヌダルクのようだけど、少し影を作って脆弱な子供染みてる雰囲気も出して、スゴく絶妙な人物像。とはいえ、基本的にはこの頃から“いつものたっちゃん”ではある。
だけど、これだけ豪華なキャストで人数も多く、内容もド派手にぶち上げてる中でやっぱり彼の存在が確実に、力強く、このシリーズの色として残り、1本の話としてまとまってるのは他ならぬ“いつものたっちゃん”によるものであることはもはや疑う余地のない確固たる事実。

個人的には、冒頭のテロ事件が唐突すぎるのと、これはこれで志半ばになってて、むしろこの話の後が本番なんじゃないのか、とも思うが「誰に何を言われようが決めるのは自分、それが自由だ」という若さや未来に対する強いメッセージ性を感じれる作品。
さすが深作組。
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