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みんなあげちゃうのろくのレビュー・感想・評価

みんなあげちゃう(1985年製作の映画)
3.0
知られざる職人(ポンコツ)監督シリーズ~金子修介編~⑤

まあこのころの金子のが「金子」らしいと言ってもいいよね。原作はみんなだれでも知っているあの弓月光のお色気コメディ、でも妙にあっけらかんとしていて当時から好きだった(弓月光作品だと「甘い生活」のが好きだけど)。

冒頭からウルトラの母が出て何見ているんだって気になってしまう。主役は資産家令嬢にして処女の悠乃(浅野なつみ)。どこか私の王子様は~からのベタ展開に涙とまりません。

そしてどこがいいのか浪人生、顔だけがいい男、望月六郎の家に転がりこみ「私の処女をもらってください!」この時代だったらアーパーギャルだろうか。あまりに脈絡のない展開に笑いがとまりません。

その後は寒い金子ギャグの連続で話が進みます。
①コンドーム買いにいくと店員が美人
②自慰行為で出てしまった精液を顔で受け止める主人公
③二人は結ばれるがイタイイタイと大騒ぎ
④資産家なのだが貯金が下ろせなくなる。悠乃はマンヘル嬢に。来たキモ男を竹とんぼ的にいかせる。

このままいつまでも書いていくか?


とこんな感じで終始「しょーもな」で続くんだけど基本ポンコツ映画なんで気にしません。最後はブルースリーよろしくバットの使い手の女性や体を凍らせる女性など六郎5番勝負に突入(でも二人としか戦ってない)。死亡遊戯と同じ展開にもうおなかいっぱいです。

くだらないけどここまで明るくていいのかというくらい主演の浅野なつみが明るいんで癒されます。令和の今だからこそこんな中身のない映画は必要なんですよ。

ちなみに主題歌の作詞はあの秋元康。秋元先生!何をやっているんですか。みんなあげちゃう♪と冒頭から始まる主題歌には秋元先生の才能が一片かりとも感じられません。いいんです。それでいいんです。
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