ろくさんの映画レビュー・感想・評価

ろく

ろく

ラスベガスをぶっつぶせ(2008年製作の映画)

2.8

数学は好きですか?⑤(ラスト!)

最後はブラックジャックで数学を使い大儲けする青年の話。ああ、カウンティングの話ね。

カウンティングの話と言えばダスティンホフマンの「レインマン」を思い出すけどあれ
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不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

4.2

数学は好きですか?④

数学って何でやるんでしょうか。マロリーだったら「そこに山があるなら」でも数学者だったら「そこに数があるから」かもしれません。

遁世の数学者と若者という、ベストキッドシステム(
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博士の愛した数式(2005年製作の映画)

4.0

数学は好きですか?③

原作も好きだし、小川洋子さん自身が数学大好き作家なんで(ちくまプリマーでは数学本も出している)、嫌いじゃないよね。

そもそも数学者と精神の病の親和性ね。これがほんとドンピシャ
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ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)

3.8

数学は好きですか?②

僕らは「有限」で「具象」な、すなわち「今ここにある世界」に住んでいる。でも数学者は違うんだ。「無限」で「抽象」な「概念だけで構成する世界」に生きているんだ。

それはある意味宗
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算法少女(2016年製作の映画)

2.6

数学は好きですか?①

数学好きです。国語科なのにね。たまに横で生徒が解いていると気になって俺にも解かせろとしゃしゃりでます(それでも数列とベクトルは歯が立たないんだけど)。それに数学者の本とか読むの
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ザ・ファブル(2019年製作の映画)

2.6

さんざん殺し屋しといて「誰も殺さず救えるか」ってお前、何言っているんだよって気持ちになってしまう一作。

アクションとしても序盤の料亭のシーンはよかったけど後半になるとただわちゃわちゃしているだけで「
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からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)

3.8

これは映画ではない。今泉なりの「解答」だ。

今泉はディスコミュニケーションに拘った作家だ。「街の上で」「窓辺にて」、あるいは出世作的な「愛がなんだ」でもそうだし、まだ世にそれほど出てないころの「サッ
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マッチング(2024年製作の映画)

2.6

最後までぺらぺら映画。

こうすれば「ドンデン返し」だからどうでしょうという展開が小癪だ。いやいやちょっとミステリ読んでいる人ならこの展開が破綻の一言なのはわかるはずだ。

特に時間が経過しているのに
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

あまりに良くてそのまま下の書店によって単行本も買ってしまったよ。

もともとジャンプの漫画がそれほど好きでない(あの線の粗さや結局友情だろって感じがどうにも好きになれない。漫画は大好きなんだけどどっち
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ミア・ゴスがずっといとうあさこ(しかもレオタードの時の)。

とにかく顔芸が止まらないのでその顔芸を観ているだけでふわわわとなってしまう。特に後半は顔芸の連続。なんだこれですよ。

夫は兵役でいないあ
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.0

確かに現代の価値観とはしっかりあっているので「今」見るべき映画かもしれないが、その一方でこれが普遍的なのかと言われると困る。まあそもそも映画なんかその時代と離して見るわけにはいかないのでそれは仕方ない>>続きを読む

蛇の道(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

加害者でありながら「被害者」のフリをする(フリだなんて当人は思っていないだろうけど)。

世の中をよく見ていればそんなこと枚挙の暇がない。いじめを見て見ぬふりしていたのにいざその子が登校拒否になると「
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はい、泳げません(2022年製作の映画)

3.7

後悔することって、「したことですか?」それとも「しなかったことですか?」

自分の過去の経験で考えると、圧倒的に「しなかったこと」な気がする。あの時あれをしておけば、我慢してあれを継続しておけば、そん
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ミスミソウ(2017年製作の映画)

4.0

雪の中で佇む山田杏奈が赤いコート着ているだけで「もうそれでいいや」って思わせる。

とにかく雪、山田杏奈、鮮血。いいね、これって梶芽衣子の系列ですよ。修羅雪姫や女囚さそり、さらにはタランティーノがその
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スラムドッグス(2023年製作の映画)

2.8

犬の排泄物と攻撃的な口調が特徴みたいに思われるけど最後は正義は勝つ、愛ってサイコー、友達は大事だねという少年ジャンプ的な展開(あるいはハリウッド的展開)を見せるお子様大好き映画。結局、ハッピーエンドか>>続きを読む

あんのこと(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

梯子を外される。

花村萬月の「笑う山崎」にこんな記述がある。「生きる希望を与え、生きる欲望を呼び覚ましてから、その気になった瞬間、なぶり殺しにする」。この小説で一番残酷なシーンである。

「あん」は
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

「大人」と「子供」って社会としてのルール外ではあまり接点がないんだよね。大人は大人のテリトリー、子供は子供のテリトリーだけで動いてしまうんだよ。

でもそのテリトリーはたまになくてもいいんじゃないって
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貞子DX(2022年製作の映画)

3.5

貞子として見るからイライラするけど、テレ朝のトリック今回は小芝風花で新作だよって言われればイライラしない。というか僕はむしろ好き。

まあ監督の木村ひさしがそもそもトリックの助監督やっていたしね。なる
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.2

コカインは鼻から抉るように吸うべし!吸うべし!吸うべし!(©丹下段平)

ということでデッド・オア・アライブの大杉漣鼻から一気コカイン吸いには残念ながら全然勝てない熊ラリラリムービーである。

まあ展
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好きでも嫌いなあまのじゃく(2024年製作の映画)

2.0

橋本環奈の目元は日本一可愛いらしい。
石原さとみの唇はやはり綺麗だ。
北川景子の鼻はこれぞ理想の鼻らしい。

で三つ合わせた顔は……こんなんなりましただよ。

宮崎駿の異界(千と千尋の神隠し)、新海誠
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極道の妻たち(1986年製作の映画)

3.0

映画の「極」、極の映画ウィーク⑤(ラスト!)

最後は変化球極道でなく正統派極道を。

と言いたいとこだけど、なぜこんな展開という謎映画である。まあ一番はなぜ古い日本映画は自分をレイプした男を好きにな
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極道めし(2011年製作の映画)

3.3

映画の「極」、極の映画ウィーク④

前半はコメディも後半はお涙頂戴の悪しき日本映画の典型に。と文句言ったけど意外とその涙で泣いてしまった。われながら単純である。

原作は既読。刑務所に入った男たちが自
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極道アパート メゾン・ド・エロスへようこそ(2021年製作の映画)

2.7

映画の「極」、極の映画ウィーク③

前半はめぞん一刻のジェネリック。後半は「2代目はクリスチャン」のジェネリック。もうジェネリックがとまりません。

まずだいたい副題が「メゾン・ド・エロス」だからねえ
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極主夫道 ザ・シネマ(2022年製作の映画)

3.7

映画の「極」、極の映画ウィーク②

千秋先輩はどこ行った?

玉木宏がイケメンだけどポンコツヤクザにしか見れないのがいいじゃないか。この監督、たまにセンチメンタルに行き過ぎるとこがあるんだけど(バイオ
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ごくせん THE MOVIE(2009年製作の映画)

2.5

映画の「極」、極の映画ウィーク①

もう、ファンムービーが止まらないよである。

登場人物が多すぎて誰が誰だかわからない。でも推しを持っている人なら推せるという「花男」「東リべ」あたりと同じ日テレが得
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ルパン三世 sweet lost night ~魔法のランプは悪夢の予感~(2008年製作の映画)

3.3

最初の15分、銭形との追いかけっこがトムとジェリーさながらで抜群に面白いんだけど、その後は失速。まあルパンみただけでいいんだぜって思います。

それにしてもこの作品だと次元が小林清志だし、五右衛門が井
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俗物図鑑(1982年製作の映画)

4.0

天上天下筒井独尊⑤(ラスト!)

最後は大人の(とんでもない)悪ふざけでこの作品を。ずっと見たかったんだけど見れて嬉しい。ただそれだけなの。

もう映画として破綻しているんだけど(下手な演技、悪い繋ぎ
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男たちのかいた絵(1996年製作の映画)

3.0

天上天下筒井独尊④

もともと筒井の原作だと笑えるヤクザの短編集なんだけど、これはトヨエツを二重人格に据えてなんとも悲しいヤクザ映画になっている。

と書いたけど凡百だなぁ。それほど見所がある映画では
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パプリカ(2006年製作の映画)

4.5

天上天下筒井独尊③

筒井も今敏も「現実」なんか信じない「作家」だ。

まずは筒井。もともと夢に興味を持ったのは中期ころだろうか。「夢の木坂分岐点」や「遠い座敷」あるいは「脱走と追跡のサンバ」。そもそ
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ジャズ大名(1986年製作の映画)

4.0

天上天下筒井独尊②

筒井作品は大きく二つの分かれるの。善悪の彼岸なんかないとにかくなんだこれはってのが一つ(「虚構船団」や「虚人たち」、初期なら「東海道戦争」「村井長庵」なんかもそうね)。でもう一つ
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スタア(1986年製作の映画)

4.2

天上天下筒井独尊①

筒井康隆強化ウィークです(勝手に決めた)。

小説家としての筒井大好きです!全集持ってます。著作はたぶん全てあります。そんなツツイストを自認する私めが贈る筒井康隆「しょーもな」映
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NEKO THE MOVIE(2017年製作の映画)

3.0

「純粋な真っ直ぐ」は本当に正しいのかしらん。

どうもこの映画とは全く逆なことを思ってしまった。この映画ではオリンピックに挑戦する猫ひろしを「尊い」ものとして描かれている。そして猫の人柄と相まって僕ら
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シティーハンター(2024年製作の映画)

3.5

ネトフリは完璧におっさんを殺しに来ているよねえ。

「幽遊白書」に引き続き、あの頃のおっさんおばさんたちが楽しめるように(しかも新規客の勧誘も忘れない)、うーん、地上波なんか勝てるわけないじゃんって突
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OUT(2023年製作の映画)

3.4

あれ、品川だけど意外に悪くない(過去何度品川の映画で酷い目にあったか)

特にアクションシーンはそこそこ見れる。まあパンチが軽そうな感じがするんだけどそれでも面白い(JO1も頑張っている)。

ただね
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麻雀最強戦 the movie(2022年製作の映画)

4.3

麻雀好きですか?

僕は大好きです。もうダメなのは分かってますよ。でも好きなんですもん。フリーにも入り浸ってたし、学生のころは授業サボって麻雀ばかり打ってました。麻雀漫画も大好きです。

でこの作品。
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.8

ヴァーホーベンの映画を見ると彼には怖いものはないんじゃないかって気になる。

あのね、彼が信じているのは「自分」だけなの。全てにおいて「自分が正しい」。天上天下唯我独尊。それを地で行っているのがヴァー
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