ろくさんの映画レビュー・感想・評価

ろく

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疑惑とダンス(2018年製作の映画)

3.6

密室劇の愉悦①

というわけで「キサラギ」があまりにも大好きだったのでそのまま密室劇を何本か紹介する。まあそもそも甘いんですよ、この手の映画に。演劇と言えば演劇なんだけどそこに映画の愉しみがだいぶ詰ま
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キサラギ(2007年製作の映画)

4.5

いやー楽しい。

展開としては「12人の優しい日本人」なんかと同じ密室劇。僕はこの密室劇にいたって弱い。演劇でもいいんじゃないと思いながらも何度もはっとし笑いにやにやし、ドキドキする。ああこれぞ密室劇
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.8

見ていて反吐がでるねえ。

それは多かれ少なかれこの主人公と僕らが同じだからだよ。SNSは良くも悪くも「承認欲求」の世界なの。僕だってそうだよ。いいねがつくだけど少し心が躍るのは否定しがたい。そしてそ
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RAMEN FEVER(2021年製作の映画)

2.8

見ているものとしては「そこまで日本あげ」したいかねという穿った気持ちと「日本の誇る文化だ」という日本大好きな気持ちで困惑する。まあ日本大好きな人は数寄屋橋二郎(寿司)とともに日本文化称揚でいいんだけど>>続きを読む

春の画 SHUNGA(2023年製作の映画)

3.5

一時期、春画に嵌っていたことがある。

まあ見たことない人にはわからないかもしれないけど、これ以上ないくらい巨大に描かれた性器とその一方で浮世絵ならではの透明感のギャップに大嵌りしてしまった。展覧会に
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嗤う蟲(2024年製作の映画)

3.8

これ、田舎に住んでいる人ってほんとに怒るんじゃないかい。

でも母親の実家に行くとこんな感じなんで(まあここまでではないけど)多少思うとこはあるんだよねえ。妙に腰が低いと思ったら逆に急に意上高になった
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マッド・ハイジ(2022年製作の映画)

3.0

溢れ出る井口昇感。

井口昇イズムとして
①ただただぐろい
②演技はめちゃくちゃ
③アクションもださださ
④ストーリーより小ネタ
⑤最後は落ちもむちゃくちゃ

とスケバンチェーンソーや片腕マシンガール
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どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

1.5

結局お前は何をした?

僕は納得しない。これは確かに社会派ドキュメンタリーだ。そこに「伝える」の意義があるのもわかるし今後、統合失調症などで悩む家族への「一つの指針」になるのもわかる。

でもね、だっ
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漫才協会 THE MOVIE ~舞台の上の懲りない面々~(2024年製作の映画)

3.6

芸人のスキャンダルが舞い込む昨今(松本、ジャンポケ、中居もそれに入れてもいいかもしれない)こんな映画を見る。

もともと芸人って河原者なんだよね。言葉でわかるように「差別される人」なんだ。それだからこ
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翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

3.0

通常営業。

第3弾 翔んで埼玉 佐賀は電気羊の夢を見るか
第4弾 翔んで埼玉 福井と三重はどっちの地方ショー
第5弾 翔んで埼玉 私を愛した徳島
第6弾 翔んで埼玉 世界の中心で愛を叫んだ山口
第7
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おくりびと(2008年製作の映画)

3.5

母の葬儀が無事に終わりました。

実際に初めて喪主というものをやったのですけど正直悲しむよりも大変だが先に立ちますね。お金、親戚との付き合い、各種手続き。わかってはいたんですけどもう少しなんとかならな
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東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007年製作の映画)

4.0

母が亡くなりました。

享年77歳。最後の一週間は苦しんで苦しんででした。呼吸も辛そうでほんと毎日病院に行っては何もできない自分にがっかりしていました。死ぬ1週間前でしょうか。母は「ダメだ」と何度か譫
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I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ(2022年製作の映画)

4.0

正月2日から映画を見に行って映画に説教されるってこの状況ね。

曰く「映画ばかり見るな」「もっと他人の話を聞け」「相手を損得だけで見るな」「自分が興味ないことも興味もて」はあ、もっともです、もっともで
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CUTIE HONEY キューティーハニー(2003年製作の映画)

4.2

正月だから馬鹿映画を見るべし、見るべし、見るべし(ジャブは抉るように打つべし)。

というわけであの庵野が撮った馬鹿映画です。でも久々にみたら「シンウルトラマン」や「シン仮面ライダー」と同じ構造だよ(
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人狼ゲーム プリズン・ブレイク(2016年製作の映画)

3.5

こんにちわ(こんにちは~!)

大晦日ですね(そうですね!)

と言うわけで年末だから今年の総決算的な映画を……これかい!倉庫映画(倉庫でしか撮らないので予算が激低でも大丈夫)として名を馳せた人狼ゲー
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

4.0

さあ後編だぜ。

僕は納得いった。そう、たしかに中2チックだけど、これは坂口安吾じゃないですかと思い、中2は中2としてしっかり責任を果たすべきだという展開に納得なんです。そう、これは世の中が「一度リセ
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

見ていて0年代のSFだろと思い、それだけでぐいっと引き込まれる。

浅野にいおの一見ふわふわしている「画」とそれと反比例するような陰惨たる内容。それは「まどマギ」でもそうだし西島大介の漫画や「ペリリュ
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ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

3.8

人生の中で一番の思い出は何ですか。

悩む。そう言われるとそんなに思い出が残ってない気もするんだよね。この映画を見ながらずっとそのことを「思い出していた」。そしてそのたびに懐かし、苦笑し、笑い、そして
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はたらく細胞(2024年製作の映画)

4.1

煙草やめます。暴飲暴食やめます。ちゃんと睡眠とります。甘いもの控えます。インスタント食品少なくします。お酒やめます(もともとあまり飲まないけど)。

だってだってだって~

阿部サダヲの血管になっちゃ
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

4.0

人の命は本当に大切なのだろうか。

いや大切って言う人もいるし命は地球より重いって人もいるでしょ。でもそれって「知っている人の命」だよね。その証拠に世界でこれだけ人が死んでいるのに何もないように過ぎて
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アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師(2024年製作の映画)

4.0

大好きなんですよ コンゲーム。だからこの作品にも甘くなっちゃうね。

古くは「スティング」から「紳士同盟」さらには 最近だったら「オーシャンズ」「コンフィデンスマン jp 」などごめんなさい、 だいた
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野球どアホウ未亡人(2023年製作の映画)

3.5

なんだこれ バカ映画が止まりません。

序盤戦から過剰過剰過剰の過剰攻撃の連発です。カット割りからスローモーション 、2分割カット、いきなりのミュージカル。 映画的なギミックがそこかしこに配置されてる
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二重生活(2016年製作の映画)

4.0

先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし⑤(ラストです!)

先生ってのは自分でやっていてなんだけど不思議な職業だと思う。まず階級差。先生が上、生徒が下、その不文律がいつの間にかできている(ホントはそんなことな
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カンゾー先生(1998年製作の映画)

3.5

先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし④

麻生久美子が まず ヌードになってるという それだけでいいやという映画である(あれ、今回の シリーズ、ヌードになってればいいやが多くありませんか)。

で映画だが今
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ダイアモンドは傷つかない(1982年製作の映画)

2.7

先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし③

いや藤田敏八らしい穴だらけな映画である(まずは文句)。

まあこの映画自体が映画初主演の田中美佐子を見ようという至って気持ち悪い動機で成り立っているんでそれでいいや
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センセイの鞄(2003年製作の映画)

3.2

先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし ②

どわわわわ。もう何だこれが止まりませんよ、だって出てる人を考えてくださいよ、主役の小泉今日子を今田美桜に、そして 柄本明 を 佐藤健に変換してみてください。 ほら
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墨東綺譚(1992年製作の映画)

4.3

先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし①

新シリーズです。自分も先生という職業の末席にいますけど、先生って言われるとほんと「えらそう」ですよね。今はそれでも少なくなってきたけど、先生って呼ぶときは「自分はあ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

2.4

すまん、信じられないほど東野幸二の目(死んだ魚の目)で見てしまった自分がいる。ハイ、ごめんなさい。ハイ、ごめんなさい。

これならまだあの悪名高い実写マリオのがいいのではないかと思い(注:そんなはずな
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惨劇館 夢子(2001年製作の映画)

1.2

どうも聞いた話だと御茶漬海苔先生は糖尿を患って失明をし、今はかなり苦しい生活をしているらしい。くすん。……え?御茶漬海苔先生を知らない?偉大なるホラー漫画家であり読んでいる人の心を直に苛むあの漫画を。>>続きを読む

スーパーサイズ・ミー: ホーリーチキン !(2017年製作の映画)

4.5

最高に考えさせてしかも面白い。これは前作を超えているよ。なぜ見なかった。

大きく分けて議題は3つなの。
①健康という言葉はそれこそ「作られた」ものでしかないってこと。
②資本主義である限りにおいて企
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ラストマイル(2024年製作の映画)

4.0

以前経済はゼロサムゲームなんで全員が幸せになるってのは妄想なんだって本を読んだことがある。

つまり「自分が幸せになる」時には誰かがその幸せを担保しているということだ。誰かが「犠牲」になって経済は成長
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やるっきゃ騎士(2015年製作の映画)

3.0

ケース:黒歴史

題名やポスターを見ればわかるように「どうでもいいエロコメ」である。「いっつ―」や「まいっちんぐマチコ先生」あるいは「いけないルナ先生」なんかの系譜でどう考えてもシネフィルの間では忌避
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ロブスター(2015年製作の映画)

4.1

うしゃしゃしゃしゃ。

やっぱランティモスは面白い。高尚なんかじゃないんだ。こうなればいいなぁって言う中二的な願望を金と細部への拘りと徹底した俯瞰の姿勢を率いて映画を撮る、それがランティモスなんだよ。
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バジーノイズ(2023年製作の映画)

3.3

うちの生徒にJO1のファンがいる。

「先生、バジーノイズ見ないんですか?もうアマプラ入ってますよ。逃走中は100歩譲っていいですけどバジーノイズは本当にいいんです!見てください!」

はいはい。わか
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さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

4.7

ろく的アジア国際映画祭⑦=中国・香港=(ラストです!)

中国は奥が深い。まず国土は広い。日本は何個分あるんだろうか。当然そこに住んでいる人も圧倒的に多い(良い奴も悪い奴も日本の10倍はいるはずだ)。
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憂鬱な楽園(1996年製作の映画)

3.4

ろく的アジア国際映画祭⑥=台湾=

開襟シャツのだらしなさが好きだ。

台湾は熱帯である。必然スーツは似合わない。この国に似合うのは開襟シャツで煙草を吸いながら屋台のものを無造作に食べることじゃないか
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