『おおかみこどもの雨と雪』から入ったので、公開当時は観ていなかったが、もはや見直すとしても、音しか聞いていない。
あらゆるキャラクターにディーン・マーティンがいる、仁義の人、老輩に藤純子がいる、長野の上田で大家族で世界と闘う（フィルムのネガは細田の家族から来る）、もうそれだけで、素晴らしいことに違いなく、その後父子の関係に徐々にシフトして行ってスベり始める細田を思うと不甲斐ないが、それでも堂々たる（保守）本流のキャリアを形成し、作品を作っていたのだから、いい人なのだろう。
自らを揺り動かすものは、自分の意識の埒外にしかなく、ネガを意識の内に措定し始めれば、まわりの水は消えて無くなる。
