キラリ

サマーウォーズのキラリのレビュー・感想・評価

サマーウォーズ(2009年製作の映画)
4.2
“あんたならできる”

仮想世界(デジタル)と田舎の親戚付き合い(アナログ)という一見相反するものを融合させて、大家族の人と人とのつながりを武器に、人工知能プログラムの暴走に立ち向かっていく本作。

なにがすごいって、この映画が、スマホやSNSが日本で普及する前の2009年に上映されたということ。

私自身は、ここ5年くらいで、ようやくこの映画の面白さがわかってきた気がする。なんだかんだ2年に1回は観直したくなるなぁ。正直なところ、2009年当時は、アバターや仮想世界とか花札とかよくわからないから、この映画の意味が全然理解できず、謎に「夏になると思い出す映画」とか「独特な世界観が好き」って言っていた気がする。今となっては、「メタバース」なんて言葉もよく耳にするようになって、この物語の意味もリアルに受け止められるようになってきたわけだけど、もしかしたら数年後には、本作で描かれている親戚の大人数の集まりなんかも異世界のことのように現実味がないものとして捉えられる日がやってくるんじゃないかな~、とふと思った。

ネット社会が発展することによって、また近年はコロナの影響も相まって、対面コミュニケーションがどんどん希薄になりがちだけど、この映画を観ると、なんだか人と直接話したくなるような、田舎に帰省したくなるような、そんなエモーショナルな気分になってしまう。
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