ケインコスゲ

ミリオンダラー・ベイビーのケインコスゲのネタバレレビュー・内容・結末

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

フィクションだけれども痛々しいほど現実的。

途中まではベタな成り上がりサクセスストーリーかと思ったけど、違かった。どんな希望を持たせてくれるハッピーな映画よりも、こういう映画の方が現実だと思い知らされる。もちろん賛否両論あると思うし、スクラップ(モーガンフリーマン)のようにマギーは幸せだったという納得のさせ方もあると思うが、めちゃくちゃ悲しい。

誰もが少しは想像してしまったことがあるし、現実に起こってもおかしくない。少なからず転がっている悲しい展開だけれど、逆にこれに目を背けずに映画化することはなかなかできることではないと思った。

尊厳死をテーマにした映画とか言われてるけど、メインがそこかと言われたら違うと思う。けれど考えざるを得ない。

舌を噛み切って何度も死のうとするマギーを医者や看護師たちが無理やり止めていたけど、最初は当たり前だと思っていたシーンがだんだん何の権利があって生かすのか、ほんとうに死ぬのは悪いことなのかと思わされる。

ダンサーインザダークやレクイエムフォードリームに並ぶ悲しい映画。タイトルマッチ戦や、マギーの家族など胸糞な場面もあり見るのしんどいけれど、重要な映画。

時に最高のパンチは一歩引いた時に打てる。たが引きすぎると戦いにならない。

人は毎日死ぬ
床掃除や皿洗いをしてね
そして人生を悔いながら
最期を迎える
マギーに悔いはない

モ・クシュラ
愛する人よ、私はお前の血
ケインコスゲ

ケインコスゲ