このレビューはネタバレを含みます
ただのボクシング映画ではなく、それぞれの人生に悩み苦しむ人たちの人間関係を描くヒューマンドラマだった。
頑固で、意地悪なフランキーと、優しく達観したような余裕のあるスクラップの正反対の性格がどこか二人を切っても切れない関係にしているんだなと感じた。
そんな二人の前に現れるガッツとハングリー精神のみで生きているマギー。
フランキーはこのマギーに対し、自分の実の娘のように接していくことになる。
勝たせてやりたいが、怪我や失敗を恐れるフランキーは優しいが故に頑固なのだとわかっていった。
マギーもまた、フランキーを実の親のように慕い続けていく。
マギーの後半の姿は、ボクシングをしている時と真逆に描かれていて、もどかしく、余計に辛く感じられた。
愛する人、モ・クシュラを自分の手で楽に殺す決断をするフランキーの葛藤と、苦しみが伝わってきた。
最後まで師匠の言うことを聞かないマギーはフランキー以上に頑固であった。
熱心に目標に向かって頑張り続けることと、また誰かがそれを本気で支えてくれていることを改めて知らされた映画。