このレビューはネタバレを含みます
ものすごい映画。前半のサクセスストーリーから一転、後半はとても考えさせられた。
血が繋がっていながら他人のように扱う人々がいる一方で、赤の他人でも家族のような絆は生まれうる。
ヒラリー・スワンクの運動神経がいいのだろうか、スポーツ系にありがちな｢主人公が下手すぎて集中できない…｣みたいなのが全くないのが良い。
自分がボクシングに関しての知識が少ないのもあるだろうが、ファイトシーンも違和感なく見れたように思う。(さすがに反則シーンは｢こんなの永久追放されるだろ！！｣と思ったけど…)
全編通して光と影の演出が綺麗だった。特にトレーナーになることを了承して握手するシーンと呼吸器を外すシーン。影から不屈の精神で努力を重ねて脚光を浴びて、また影に落ちていった主人公とマッチしていた。
イーストウッド作品のいいところがよく出ている。死を望む女とそれを葛藤しながら受け入れる老人をただ淡々と描く。これが正義だ、これが正しいというような押し付けがましいところは一切ない。自分で考える余地が充分に残されていて、新たな視点も生まれる。視聴者を尊重してるんだろな
