Jimmy

潜行者のJimmyのレビュー・感想・評価

潜行者(1947年製作の映画)
2.7
ノワール映画だと思って観たら、美しいローレン・バコールとハンフリー・ボガートの恋愛ドラマになっていた。確かにサスペンス映画らしい展開ではあったものの、後半失速して、観終わった後には消化不良の感じが残る。

終身刑で服役していた男ヴィンセントが脱獄した後から始まる。追ってくる警官たちから逃げるヴィンセントを救うのは、車に乗った女性アイリーン(ローレン・バコール)であった。
この辺りは、脱獄した男の顔は一切映らない。この男は裏町の医者に整形手術をしてもらうことになり、整形手術後の男ヴィンセントがハンフリー・ボガートなので、前半は脱獄男の第一人称目線で描かれる。これは、なかなか凝っている。あの『湖仲の女』に似た感覚での第一人称映画。
整形手術が終わったら、ヴィンセント(ハンフリー・ボガート)はしっかりと映る。そして、顔がすっかり別人になったので、自分の妻を殺した真犯人を追うことになる。
ただ、ここで詰めが甘いのは、ヴィンセントは密かに整形手術をしたはずなのに、それを知っている人物がチラホラ出て来るあたり。
全然、極秘の整形手術になっていないじゃないの…(笑)

それでも、真犯人を追いつめるまでは良かったのだが、自分の冤罪を論理的に証明するところでウヤムヤになってしまうのが残念。

確かにローレン・バコールは綺麗であるし、ハンフリー・ボガートとのカップルも実生活どおりの睦まじさなのだが、サスペンス映画としては如何なものか…という感じだった。
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