マーくんパパ

レスラーのマーくんパパのレビュー・感想・評価

レスラー(2008年製作の映画)
3.6
1980年代のヒーローレスラーそれから20年、今も現役続けているがかつてのマディソンスクウェアガーデンとは程遠い小規模場所での興行。老体に鞭打ち毛染め、筋肉増強剤やらで体型隠し蓄えもなくトレーラー車住宅の家賃もままならない中、わずかなファイトマネーも贔屓なストリップダンサーに入れ揚げる孤独な日々。無理が祟って倒れ心臓バイパス手術をし引退。総菜屋アルバイトで糊口を凌ぎ、養育放棄し疎遠となっていた一人娘にすがるも酒飲んで約束破って又も断絶、似た境遇の峠を過ぎたダンサーへの求愛も一度断られ命の保証がない現役に復帰する。「俺にとって痛いのは外の現実の方だ、ここが俺の居場所だ」とダンサーが引き留めるのを振り切ってリングに立つ。M・ロークが体に染み込んだ曾ての栄光が忘れられない悲哀の老レスラーを熱演。控え室でのレスラー同士の打合せ風景など興行会の裏側も垣間見れていい感じ、オルドリッチの一発逆転女子プロ映画『カルフォルニア・ドールズ』と対比して観るのもいいかも。又、逆に第一級の現役レスラーを生涯全うしたジャイアント馬場の凄さも再確認。