囚人13号

アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学の囚人13号のレビュー・感想・評価

3.5
群像劇としてフィクション的に描写されるであろう個々の問題をアケルマンは自らカメラの前で告白させる、残虐なまでのワンカットの威力は逆説的に退屈から凄まじさを増していく。一般人に突撃取材するようなカメラはジャン・ルーシュへの雑な目配せか。

夜景の美しさは毎度甲乙つけ難いけれど今回は闇の深さより暗部に光を落とす要素、窓から漏れる光、街灯、白熱電球といった類のものが映えていて深刻な話と全然関係なく輝いているので綺麗。
広げまくった個々の話を最終的に顛末すら削ぎ落すのがアケルマンなのだが今回は弟とか恋人とか幸せになってほしい人が多いまま終わってしまった。
囚人13号

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